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ブルーサーマル

ブルーサーマル

公開中のアニメ映画『ブルーサーマル』を観ました。

いい映画でした。

観客が私含めて2人しかいなかったのがもったいない。

あまりにもったいない。

ただ、東映チャンネルでよく流れているスポットCMを見ても、「お、観よう!」という気にあまりならないんです。
なかなか魅力をうまく伝えきれないもどかしさがあります。

大学の航空部(グライダースポーツ部)を舞台に、初めてグライダーに乗る新入部員の女の子が活躍する話。
とまとめると、「近頃よくある女の子部活ものかー」と思ってしまう。
けれど、そういうのとはだいぶん違う。

かといって、「さわやかなスポーツ青春アニメ」とまとめてしまっては、ありきたりすぎて、こぼれるものが多い。

これは、

ズバリ言って、

「エースをねらえ!」ですよ。

作者もスタッフも意識してないと思います。
でも、相通じる要素がある。
100分の映画の中に成長と感情のドラマが、それも群像ドラマがしっかり詰まっています。
空を駆けるようなスピード感で。

1クールか2クールのシリーズものでやってほしいなぁ。

映像作品としては、空を飛ぶこと、風に乗ること、その爽快感、自由さが、アニメならではの表現で描かれているのが大きな魅力です。
グライダーを操縦する描写がもう少しあればよかったと思うけれど、映画の限られた時間ではそこまでは踏み込めなかったのでしょう。
主観で空を飛ぶ描写がもっと見たかった。

音楽が劇場用アニメの音楽を本格的に手がけるのは初めてという海田庄吾さん。
パンフレットに海田さんのコメントはないけれど、今発売中の『月刊Newtype(ニュータイプ)』(2022年4月号)の別冊付録が1冊まるまる『ブルーサーマル』特集で、海田さんのインタビューが載っています。緻密な音楽プランをもとに作曲されていることがわかる。
それを読んでから映画を観ると、より楽しめます。

実は、大学に入って最初にクラブ勧誘の説明会を聞いたのが、航空部だったのです。
小さな部室で活動内容を紹介する手作りビデオを見せてもらったりしたものの、結局、入部はしなかった。
でも、一度くらいグライダーに乗せてもらえばよかったかなぁと思っています。
そういう機会は、それ以来なかったから。
映画を観ながら、そんなことを思い出していました。

その母校の航空部は、映画のエンドクレジットに「取材協力」として名前が出ています。

ニュータイプ付録