「国宝展」と「岡本太郎展」
上野で開催されている「国宝展」と「岡本太郎展」を観に行ってきました。
どちらも会期末が迫っていたので駆け込みです。
「国宝展」は「国宝 東京国立博物館のすべて」が正式名称。
東京国立博物館創立150周年記念の展覧会で、「史上初、所蔵する国宝89件を公開」とキャッチコピーにあるように、お宝を一挙お蔵出ししての公開です。
もともと12月11日で会期終了の予定でしたが、18日まで延長されました。
会場は国立博物館本館…
ではなく、1999年に開館した「平成館」のほうです。
展示されているのは、11世紀から13世紀頃までの絵画・書跡と7世紀から14世紀頃までの東洋絵画・書跡、それに7世紀から8世紀の法隆寺献納宝物が中心。ほかに古代の壺・銅鐸・太刀・埴輪など、考古出土品もいくつか。
古い書画などのうち数点は、保存上の理由から会期延長期間には展示が終了してました。残念ですが、しかたない。
最近の刀剣人気を意識したのか、刀剣(10~14世紀)にかなりのスペースが充てられていました。
展示の第2部は「東京国立博物館の150年」という展示。
これがなかなか面白かった。
博物館の歴史をたどりながら、めぼしい収蔵品を紹介する構成。
明治時代の展覧会のようすを紹介する絵や当時の博物館の看板など。 博物館好きにはたまりません。
博物館って、展示品自体も魅力ですが、それを観ることで昔の人と対話したり、当時の空気に触れたような気分になれたりする。すごく心を動かされます。実物が目の前にあってこその体験だと思うのです。
下の写真は最後の撮影可コーナーから。
続いて、東京都美術館で開催されている「岡本太郎展」へ。
正式名称は「展覧会 岡本太郎」。 美術館の地階~2階の3フロアを使っての大規模な展覧会です。
ほとんどの作品が写真撮影可でした。
すごいです。
めちゃくちゃ刺激を受けました。
「楳図かずお展」に行ったときみたいな、脳がぐるぐるする感覚。
「タローマン」の奇獣のデザイン画…じゃなくて、もとになった作品もしっかり観てきましたよ。
「痛ましき腕」「露店」「夜」「重工業」など、初期の作品も展示。
第五福竜丸事件にインスパイアされた「明日の神話」は有名ですが、同じく第五福竜丸事件に取材した「燃える人」もすさまじい迫力。
「大衆の中の芸術」のコーナーでは、「グラスの底に顔があってもいいじゃないか」のCMも懐かしい「顔のグラス」も。
映画『宇宙人東京に現わる』のデザインスケッチや、未制作に終わった映画『怪人ラプラスの出現』のロボットデザインなども展示されていて、特撮映画ファンとしては興味深かったです。
「太陽の塔」にはかなりのスペースが充てられていて、資料映像も上映。
そのあと巨大な「明日の神話」の展示。
さらにまだ最終コーナーがあり、最晩年の作「雷人」で締めくくり。
お腹いっぱい。
体力的にも精神的にへとへと。
でも、心地よい疲労感です。
会場の外には「タローマン」のフォトスポットがあり、これでちょっとなごみます。
記念に「タローマン」のクリアファイルを買って帰りました。
「国宝展」では縄文土器の展示がありましたが、岡本太郎も縄文土器を観て大いに刺激されて作風を変えた時期があります。
私の中では「国宝展」から「岡本太郎展」が自然につながっています。
しかし、「国宝展」⇒「岡本太郎展」の順に観てよかった。逆だったら頭がぐるぐるして、落ち着いて国宝なんか観られないところでした。
「展覧会 岡本太郎」は12月28日まで。