菅野祐悟 交響曲第2番@サントリーホール
サントリーホールで菅野祐悟さんの「交響曲第2番 “Alles ist Architektur”-すべては建築である」を演奏するというので聴きに行ってきました。
東京交響楽団の第707回定期演奏会。原田慶太楼指揮。
行ってよかった。
さすがサントリーホール。すばらしい音でした。
CDで聴くのとは大違い。
交響曲第2番は「建築」をテーマにした作品。
第1楽章から第4楽章まで、それぞれにサブテーマが割り当てられています。
メインとなるモティーフを提示する力強い第1楽章、躍動的なスペイン風の第2楽章、弦合奏を中心とした抒情的な第3楽章、メインモティーフを反復し、さわやかに雄大に締めくくられる第4楽章。それぞれに聴きごたえがある。
菅野さんは「40分間聴衆を飽きさせない」という純音楽にはめずらしい(?)目標を掲げて作曲に臨んだそうで、そこここに、映像音楽的な耳にひっかかる工夫がほどこされています。2階席で聴いていたので、奥の方でパーカッションが活躍しているようすが確認できました。サウンドトラックみたいに聴こえる部分があるのも楽しいところ。菅野さんが現場でブラッシュアップしてきた技の集大成ともいえます。
東京交響楽団の演奏もすばらしかった。
演奏が進むうちに、オーケストラ全体がひとつの楽器のように聴こえる瞬間があり、うっとりしました。生でオーケストラを聴く醍醐味です。
菅野さんが音で表現しようとした「光」がたしかに見えた気がしました。
プログラムには菅野さんと指揮の原田さん、コンサートマスターの水谷晃さんらとの座談会が掲載されていて、なかなか貴重。
プログラムは東京交響楽団の公式サイトで公開されているので、Webでも読むことができます。
https://tso.futureartist.net/Symphony2301
終演後、ロビーに現れた菅野さんにご挨拶。
思えば、2007年12月に開催された菅野さんの最初のコンサートもここ、サントリーホールの小ホール(ブルーローズ)だったんですよね。
そのときも聴きに行って、初めて菅野さんにご挨拶した記憶があります。
今回は堂々の大ホール。いわば凱旋公演。
菅野さんの音楽を追いかけてきたひとりとして、感無量です。