オルガン×ベルサイユのばら
8月11日、サントリーホール大ホールで開催されたコンサート「オルガン×ベルサイユのばら」を聴きました。
サントリーホールの企画による「サントリーホールでオルガンZANMAI!」のプログラムのひとつです。
「オルガン×ベルサイユのばら」はTVアニメ版『ベルサイユのばら』の音楽をパイプオルガンで演奏しながら、俳優の七海ひろきさんがストーリーを朗読するという企画。
まず、アニメ版『ベルばら』の音楽をパイプオルガンで演奏するという企画が驚きです。しかも、主題歌やアルバム用に書かれた挿入歌・インスト曲だけでなく、CD「ベルサイユのばら 音楽集[完全版]」で初めて商品化されたオリジナルBGMも演奏曲に含まれている。まさか自分がタイトルを付けた曲がサントリーホールのパイプオルガンで演奏される日がくるとは夢にも思っていませんでした。
七海ひろきさんは宝塚の男役スタートして活躍し、『ベルサイユのばら』でオスカルを演じたことがある方。『ベルばら』の語り手として申し分ありません。そして「朗読」と言いつつ、セリフがあるところはオスカルやアントワネット、アンドレ、フェルゼンになりきっての熱演。パワフルかつ情感のこもった演技に圧倒されました。
パイプオルガンが演奏する馬飼野康二先生の名曲と七海ひろきさん入魂の演技でアニメの名場面がよみがえります。
最初この企画を聞いたときは、原作か宝塚版『ベルばら』寄りなのでは?と思ったのですよ。
ところが、ほんとにTVアニメ版そのままでびっくりしました。
アニメ版で原作から変えたところもアニメ版通りになっている。あまりにそのままで、「大丈夫なのかな?」と心配してしまうくらい。
『ベルばら』を取り上げながら、TVアニメ版にフォーカスした、非常にマニアックなコンサートでした。「完全版」CDを作ったとき、トムス・ミュージックの方に「コンサートできないですかね?」と相談されたことがあるのですが、スコアの用意やオーケストラの編成などを考えると難しいのでは…?と思っているうちに立ち消えになりました。
その企画が形を変えて実現したような思いです。
出演者は、パイプオルガン演奏の原田真侑さんと朗読の七海ひろきさんのふたりだけ。しかし、『ベルばら』の世界がみごとに再現されていました。カーテンコールで拍手が鳴りやまず、最後は客席全体でスタンディングオベーションになりました。
いやー、すばらしかったです。
アーカイブ動画の有料配信が行われるそうですので、会場に行けなかった方、興味を持たれた方はぜひどうぞ。
チケットは11日18時から発売中。
視聴期間は8月18日10時~8月24日23時です。
www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20230811_M_3.html
視聴チケット購入はこちら
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/dsh/streaming/
サントリーホールでオルガンZANMAI !
オルガンXベルサイユのばら
演奏曲
アバンタイトル*
薔薇は美しく散る*
ボッケリーニ:弦楽五重奏曲ホ長調作品11-5より第3楽章「メヌエット」
移りゆく時代*
オスカル~薔薇のさだめ~ *
情熱の紅いばら*
J. s. バッハ:管弦楽組曲第4番二長調BWV1069より第4曲「メヌエット」
J. s. バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番ハ長調BWV 846より前奏曲
愛ゆえの哀しみ*
星になるふたり*
オスカル~切ない悲しみ~ *
麗しき人よ! *
切なく想いを秘めて*
吟遊詩人の手風琴*
ラモー:優しい訴え
私はとらわれびと*
結ばれた友情*
優しさの贈り物*
愛の光と影*
バルバートル:ラ・マルセイエーズ
革命*
情熱の紅いばら*
薔薇は美しく散る*
*作曲:馬飼野康二/編曲:坂本日菜