「ファンタジア」ライブオーケストラ・コンサート
3月24日、NHKホールで開催された「ファンタジア」ライブオーケストラ・コンサートに足を運びました。
ディズニーのアニメ映画『ファンタジア』のシネマコンサートです。
演奏は佐々木新平指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。
といっても映画を丸ごと上映するのではなく、オリジナルの『ファンタジア』(1940)と2000年に公開された続編『ファンタジア2000』から数本ずつ抜粋して(順番もばらばらに)上映・演奏するというイベント。
新旧の作風の違いも観られて面白かったです。
ふつうのシネマコンサートと違ってセリフも字幕もないので、映像と音楽に集中できるのがよい。
これはシネマコンサート向きではないか!
と思ったのですが、映像に集中しすぎてオーケストラを観ている余裕がないのが自分としてはもどかしい。
プログラムの合間に司会者のMCが入り、指揮の佐々木新平さんから楽曲のエピソードやシネマコンサートを演奏する苦心なども聞くことができました。
シネマコンサートにふつうMCは入らないんですが、今回は演奏者を休ませる意味もあるのだろうな、とあとで思いました。
ふつうの映画と違って「音楽が入らない場面」がないから、続けて上映するとずっと演奏しっぱなしになってしまいますからね。
もともとは先に録音された音楽をもとに絵を作る「プレスコアリング」の方式で制作された作品。
しかし、コンサートでは逆に絵に演奏を合わせなければいけない。なかなか大変だったと思いますね。
しかも映像と動きのタイミングがぴったり合う「ミッキーマウシング」の手法もふんだんに使われている。ふつうの映画だったら、曲の最初と最後さえ合っていればそんなに違和感がないんですが、こういう作品だと一拍一拍ぴったり合わせる必要があります。一拍たりとも気が抜けない。
指揮者の佐々木新平さんは「マラソンを走るようなもの」とおっしゃっていました。
『ファンタジア』を大画面で観るのも得難い体験でした。
生演奏で体験する価値がある作品だったと思います。
演奏曲は、
第1部
ベートーヴェン 交響曲第5番 ハ長調 Op.67「運命」(2000)
ベートーヴェン 交響曲第6番 ヘ長調 Op.68「田園」より第3~5楽章(1940)
チャイコフスキー バレエ音楽「くるみ割り人形」Op.71(1940)
デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」(1940&2000)
ストラヴィンスキー バレエ音楽「火の鳥」(1919年版)(2000)
第2部
ポンキエッリ 歌劇「ジョコンダ」より時の踊り(1940)
レスピーギ 交響詩「ローマの松」(2000)
エルガー 威風堂々 Op.39(2000)
アンコール
サン=サーンス 組曲「動物の謝肉祭」よりフィナーレ(終曲)(2000)
※1940=1940年公開『ファンタジア』、2000=『ファンタジア2000』より
個人的には恐竜が出てくる「春の祭典」が観たかったなあ~