菅野祐悟コンサート2024
3月9日、北とぴあ さくらホールで開催された「菅野祐悟コンサート2024」に足を運びました。
北区文化振興財団設立35周年記念事業「北とぴあ国際音楽祭2023」の一環としての開催。
北区民はチケットが割引価格で買えるので、初めて菅野さんのコンサートを聴きに来たという北区民の方も多かったと思います。
いつも派手な衣装で登場する菅野さん、今回は全身真赤なスーツでステージに現れて、拍手喝采を浴びてました。
演奏は、コロナ禍前のコンサートでおなじみだったフルオーケストラ編成ではなく、菅野さん自身によるピアノ/キーボードとダブルカルテットの弦、コントラバス(エレキベース持替)、ギター、トロンボーン、サックス各1という小ぶりな編成。
しかし、アレンジや演奏に工夫があり、満足度は高い。
よいコンサートでした。
大野克夫さんから引き継いだ劇場版『名探偵コナン』のテーマ曲を最初と最後に配し、第1部はテレビドラマの音楽中心、第2部は映画とアニメ音楽中心の選曲。
第1部では、会場のお客さんからキーワードをもらって菅野さんが即興で曲を作るコーナーも。
スタイリッシュな曲とゆるいMCのギャップが楽しく、菅野祐悟コンサート初心者にも「菅野祐悟ってどんな人?」というイメージが伝わったと思います。
打ち込みのバックトラックを流しながら演奏する現代のサウンドトラックならではの曲もあり、多彩なサウンドが楽しめました。
なかでも、ピアノ、トロンボーン、サックスのトリオで演奏された『軍師官兵衛』メインテーマがよかった。いつもはオーケストラの演奏で聴いている曲が、この日はしゃれたフランス映画のテーマ曲みたいに聴こえて新鮮でした。
クライマックスは、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』からのメドレーとアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』からの処刑用BGMメドレー。
特に『ジョジョ』コーナーでは菅野祐悟コンサートの常連さんが立ち上がって踊り始めるいつもの光景が見られ、「ああ、菅野さんのコンサートが帰って来た」と感慨深かったです(私は座ってましたけど)。
アンコールはオリジナルシンガー・青木カレンさんのヴォーカルで『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』から「Never Again」と『カイジ ファイナルゲーム』からトロンボーンソロをフィーチャーした「END TITLE」、そしてこの日のために菅野さんが書き下ろしたオリジナル曲のピアノソロで終演。
サイン会に並ぶ人の長い長い列を見ながら、会場をあとにしました。
菅野さん、5月にもイベントが予定されているそうなので、楽しみにしています。
山下康介のオトユウギ Vol.1
3月4日に銀座・王子ホールで山下康介さんのコンサート「山下康介のオトユウギ Vol.1」が開催されました。
諸般の事情により配信でリアルタイムで拝聴いたしました。
すごくよかった!
書き下ろし曲あり、音大の卒業制作の曲あり、そして、映画・ドラマ・ゲームなどの音楽たっぷり。
『信長の野望』『花より男子』『クロサギ』『この空の花 長岡花火物語』『美の巨人たち』などなど。
ハイライトは『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』からのBGMメドレー!
小編成ゆえにメロディーやオーケストレーションのよさが際立ちますね。
演奏もすばらしい!
配信チケット販売中ですので、気になる方はぜひ!
アーカイブ配信は公演1週間後くらいから始まるそうです。
詳細とチケットは下記から
https://12do.co.jp/yamashitakosuke.html
タイトルに「Vol.1」とあるのでVol.2も期待しています!
フィルフィルコンサート「GEKIBAN!」
2月11日にミューザ川崎シンフォニーホールで開催されたフィルフィル(フィルムスコア・フィルハーモニック・オーケストラ)コンサート「GEKIBAN! -Anime Symphonic Journeys-」に足を運びました。
よかった!
堪能しました。
まさに「こういうのが聴きたかった!」というコンサート。
60年代の『ジャングル大帝』から70年代『宇宙戦艦ヤマト』、80年代『風の谷のナウシカ』、90年代『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』『ポケットモンスター』『ONE PIECE』、00年代『機動戦士ガンダムSEED』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』、10年代『進撃の巨人』『ULTRAMAN』、20年代『機動戦士ガンダム 水星の魔女』『すずめの戸締まり』と幅広い年代をカヴァーし、かつ90年代以降が厚いプログラム。
企画にかかわったオーケストラメンバーの年齢層を反映した選曲なのでしょう。
結果、「アニメ音楽の現在」が浮かび上がる好プログラムになっていました。
また、このコンサートが「GEKIBAN」と名付けられていることに隔世の感がありますね。
演奏曲中いちばんの驚き&感激は川井憲次さんの『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』からの1曲「謡III-Reincarnation」。
なんと、コーラスで西田和枝社中が登場。本物ですよ!
パシフィコ横浜国立大ホールで「川井憲次コンサート2007」を聴いて以来の生演奏体験でした。
川井憲次さんがステージで曲の誕生秘話を話してくれたのも実にぜいたく。
『すずめの戸締まり』も、RADWIMPSとともに作曲を手がけた陣内一真さんとオーケストレーションを担当した戸田信子さんの対談形式で曲解説があり、非常に興味深く聴くことができました。
佐橋俊彦さんの『機動戦士ガンダムSEED』はタイムリーな選曲(選曲時は意図してなかったかもしれませんが)。「交響組曲」版のスコアだったので、オーケストラの鳴りもよく、コンサート一番の「シンフォニックなカッコよさ」を堪能しました。
続いて演奏されたのが大間々昴さんの『機動戦士ガンダム 水星の魔女』からメインテーマ「The Witch From Mercury」。ダイナミックなオーケストラに女声ヴォーカリーズが絡む曲で、重厚さとケレン味を兼ね備えた曲調はまさにガンダム。聴きごたえ満点です。
締めくくりが鷺巣詩郎さんの『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』からの3曲。うち2曲はコンサート初演だそうで、『GHOST IN THE SHELL』に並ぶ感激でした。TV版でなく新劇場版からの選曲というのもナイス。エヴァの音楽は年々進化し、リッチになっていますから。
「あの曲も聴きたかった」と言い出すときりがないですが、オリジナルスコアの手配や権利上の問題など、さまざまな条件をクリアしての内容だそうですから、ここまで集められたことがすばらしい。特に近年の作品はコンサートで演奏するだけでも縛りがあったりしますからね。毎度ながら、フィルフィル代表・戸田信子さんの熱意と人望に感嘆します。
大変と思いますが、ぜひ第2弾を期待したい!
そして、次回のフィルフィルコンサートは8月19日にジェリー・ゴールドスミス特集だそうですよ!
こちらも今から楽しみです!
《セットリスト》
続きを読む:フィルフィルコンサート「GEKIBAN!」
MIQ40デビュー周年記念コンサート
1月7日、品川区のきゅりあん小ホールで開催された「MIQデビュー40周年記念コンサート +1新たな伝説へ」に足を運びました。
パワフルでソウルフルなヴォーカルで人気のMIQさんが、『戦闘メカ ザブングル』の挿入歌「HEY YOU!」でメジャーデビューしたのが1982年。コロナ禍で開催が延期されていた40周年記念コンサートがついに実現しました。
休憩をはさんで2時間半ほどのステージ。デビュー当時と変わらぬ、いや、さらにパワフルになったヴォーカルを堪能しした。
バックの演奏はキーボード、ドラムス、エレキベース、エレキギターの4人と女声コーラス2人のみ。シンプルな編成ゆえ、ヴォーカルの魅力が際立ちます。
3月9日には大阪公演も予定されているので、楽しみにしている方のためにセットリストの紹介は控えますが、新アレンジによるアニメソングのセルフカバーやジャズのスタンダードナンバーなどは聴きどころですよ。特に印象に残ったのは、ニューミュージックの名曲のカバー。いやー、よかった。
あらためて、MIQさん、デビュー40周年おめでとうございます!
東京公演は終了しましたが、現在、配信チケットを販売中。1月14日23時59分まで観られるので、会場に行けなかった方も、もう一度楽しみたいという方も、ぜひご利用ください。
☆MIQデビュー40周年記念コンサート配信チケット販売サイト(1月14日20:00受付終了)
会場で販売していた40周年記念アルバムはこちらで購入できます。
「男声合唱のためのウルトラセブン」楽譜出版記念コンサート
12月4日、渋谷さくらホールで開催された「男声合唱のためのウルトラセブン」楽譜出版記念コンサートに足を運びました。
冬木透作編曲による楽譜本『男声合唱のためのウルトラセブン』(全音楽譜出版社)が12月15日に発売されることを記念したコンサートです。
1部は蒔田尚昊名義によるオリジナル作品。
- Ave Maria
- ガリラヤの風かおる丘で
- きみの笑顔により添って
- Ave Regina
- Ave Maris Stella
- 『智惠子抄』より あどけない話/千鳥と遊ぶ智恵子/レモン哀歌
などが演奏されました。はじめて聴く曲もあり、冬木透音楽の原点としてもとても興味深かったです。
2部は楽譜本に収録された作品から。
- ウルトラセブンの歌
- ウルトラ警備隊
- ウルトラ母のバラード
- 怪獣のレクイエム
- ウルトラセブンのバラード
- 哀惜のバラード
- ゾフィーのバラード
- ULTRA SEVEN
- 戦え!ミラーマン
- ワンダバ・メドレー
- ウルトラマン賛歌
- 希望の塔デュアダバダン
力強い熱唱で、すばらしかったです。特にワンダバ・メドレーは圧巻でした。
最後は冬木先生の指揮で会場みんなで「ウルトラセブン」を歌って終演。
先行販売されていた楽譜も買いました。
全曲、冬木先生自身の編曲で、冬木先生による各曲コメントもついているので貴重です。
終演後、冬木先生に久しぶりにお会いしてご挨拶しました。
まだまだお元気で活躍してほしいです。
カテリーナ古楽合奏団「祝祭」
11月19日、北とぴあ つつじホールで開催されたカテリーナ古楽合奏団コンサート「祝祭」に足を運びました。
カテリーナ古楽合奏団は1973年に結成された古楽器を演奏する楽団で、今年結成50周年。その記念コンサートです。
サウンドトラックを聴いていると、民族楽器(古楽器)を使った曲にしばしば出会います。洗練された現代の楽器では聴けない、素朴で不思議な音を出す楽器が多い。
楽器博物館などで古楽器を見ることはできますが、実際にどんなふうに演奏され、どんな音が出るのか、生で見る機会はなかなかありません。
そんなことで、このコンサートはサントラファン的にも興味深いものなのでした。
演目は13世紀~16世紀の西洋や中東の曲が中心。聴きなじみはないですが、西洋音楽のルーツを聴くようで面白い。
数100年前の人々がこんな音と音楽を聴いていたのかと想像するとロマンティックな気分になるし、時代も地域も異なる音楽がひとつのステージで演奏されることに現代的な意義も感じます。
有意義なコンサートでした。
実はカテリーナ古楽合奏団のメンバーである上野哲生さんを私は知っていました。
80年代に放送されたTVアニメ「おはよう!スパンク」の音楽を担当した作曲家です。当時はポップスを書いていたが、紆余曲折あって今は古楽器の演奏に打ち込んでいることをインタビューでうかがいました。
その上野さんが演奏する姿を見、音を聴けたことも、今回の収穫でした。
今回のコンサートのプログラムを中心にしたニューアルバムが発売されるそうです。
カテリーナ古楽合奏団のサイトで予約・購入ができます。
https://arujya.wixsite.com/mysite/catherina
赤毛のアン アニメコンサート
11月18日、第一生命ホールで開催された「赤毛のアン アニメコンサート」に足を運びました。
TVアニメ『赤毛のアン』の映像とともに生演奏の音楽を楽しむコンサート。
2020年6月に開催予定でしたがコロナ禍で延期され、この日、ようやく開催が実現しました。
『赤毛のアン』は私の「心のアニメ」の1本です。
2004年には日本コロムビアに持ち込んだ企画が実現し、構成・解説・インタビューを担当した完全版音楽集「赤毛のアン 想い出音楽館」を発売することができました。
2019年12月には個人誌「劇伴倶楽部」の1冊として『赤毛のアン』音楽研究本「THE MUSIC OF "Anne of Green Gables" ~赤毛のアンの音楽世界~」を執筆・発行したくらい。
なので、2020年にコンサート開催のニュースが報じられたときから、この公演を楽しみにしていました。
昼夜2回公演の2回ともチケット取って聴きましたよ。
会場は開催を心待ちにしていたファンで満席。
限定グッズセットは開場15分で早々と売り切れ、がっくりする人続出。
私もそのひとりでしたが、夜公演に根性で並びゲットしました。
それはともかく、コンサート自体はすばらしかった。
演奏:井田勝大指揮 シアター オーケストラ トウキョウ
歌:大和田りつこ
出演:山田栄子
会場の第一生命ホールは全767席。クラシック向けのホールですが、ステージはあまり大きくありません。
今回のオーケストラは、
弦x9(第1ヴァイオリンx2、第2ヴァイオリンx2、ヴィオラx2、チェロx2、コントラバスx1)
木管x5(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、リコーダー/オカリナ持ち替え)
金管x3(トロンボーンx1、ホルンx2)
ハープx1
チェレスタ/キーボードx1
パーカッションx2
全21名という小ぶりな編成。
これはホールの都合と予算の都合の両方がありそうです。
しかし、音の再現度はすばらしかった。
ピアノ、ギター、チェンバロはキーボードで代用していましたが、ステージをよく見ていなければ気づかないほど自然でした。
また、打楽器はマリンバ、グロッケンシュピールなどのクラシックパーカッションのほかにドラや、コンガやボンゴなどのラテンパーカッションまでそろっていて、独特のサウンドを作り出していました。
おそらく譜面は残ってないと思うんですよ。音源から採譜したのではないかと思います。が、まったく違和感を感じさせないすばらしいオーケストレーションと演奏でした。
また、原曲のテンポに忠実に演奏していたのもよかった。それも再現度の高さにつながっているのでしょう。
ただ、BGMはともかく、主題歌の「きこえるかしら」や「さめない夢」の伴奏はもっと大きな編成で録音されているはずで、その「たっぷり感」が体験できなかったのはやむをえないとはいえ、惜しかった。
オープニングの「きこえるかしら」の伴奏は、サックス4本、クラリネット2本、トロンボーン4本、打楽器、エレクトーン、ピアノ、弦楽器という特殊な編成であったことが、当時の三善晃さんの証言でわかっています。今回はサックスもピアノも入っていないですからね。再演があるなら、ぜひ再現してほしいところです。
オリジナル歌手・大和田りつこさんの変わらぬ歌声が感動的でした。
今回、主題歌2曲のほかに挿入歌「森のとびらをあけて」「あしたはどんな日」「忘れないで」「涙がこぼれても」の4曲を歌ったのですが、作曲した三善晃さん、毛利蔵人さんのこだわりで、1番、2番、3番と歌詞に合わせてメロディーが微妙に違うのです。それを完璧に歌っていた。感嘆しました。
演奏曲は以下の通り。
(メモと記憶に頼っている部分が多いので間違っていたらすみません)
赤毛のアンのBGMは1曲ごとに曲名が付いてない(付けてない)ため、2枚組CD「赤毛のアン 想い出音楽館」の収録ブロックタイトルとM-No.で表記しました。参考にCD「ANIMEX1200シリーズ 赤毛のアン オリジナルBGMコレクション」での収録ブロックもカッコ内に併記しました。
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●第1部
オープニング
「きこえるかしら」サウンドトラック音源
第1章 マシュウ・カスバート驚く
Disc1:プリンスエドワード島へ:A-1A(Retake) (※ANIMEX:第一楽章)
Disc1:プリンスエドワード島へ:A-5 (※ANIMEX:第十楽章)
Disc1:よろこびの白い道:B-2B (※ANIMEX:未収録)
第2章 マリラ・カスバート驚く
Disc2:栄光と夢:A-2D (※ANIMEX:未収録)
「森のとびらをあけて」歌:大和田りつこ
「あしたはどんな日」歌:大和田りつこ
第6章 グリーン・ゲイブルズのアン
Disc2:クイーン学院への旅立ち:B-5B (※ANIMEX:未収録)
Disc1:アイドルワイルドの木陰で:B-7 (※ANIMEX:第四楽章)
第9章 おごそかな誓い
Disc1:おごそかな誓い:B-9A (※ANIMEX:第三楽章)
Disc1:忘れないで(Instrumental) (※ANIMEX:未収録)
第15章 秋の訪れ
Disc1:秋の訪れ:C-8 (※ANIMEX:未収録)
Disc1:秋の訪れ:B-17A(Slow) (※ANIMEX:未収録)
第16章 ダイアナをお茶に招く
「忘れないで」歌:大和田りつこ
第20章 再び春が来て
Disc2:夏の光・海辺の夢:C-1A (※ANIMEX:未収録)
第24章 面目をかけた大事件
Disc2:心の友ダイアナ:D-5 (※ANIMEX:第八楽章)
第28章 クリスマスのコンサート
Disc2:クリスマスのコンサート:B-11 (※ANIMEX:未収録)
Disc2:雪降る聖夜:B-12-2 (※ANIMEX:未収録)
第29章 アン・物語クラブを作る
第36章 物語クラブのゆくえ
Disc2:夢みる頃を過ぎても:B-12 (※ANIMEX:未収録)
Disc2:神は天にいまし:A-1 (※ANIMEX:第三楽章)
●第2部
第37章 十五歳の春
Disc2:十五歳の春:B-16 (※ANIMEX:未収録)
Disc2:十五歳の春:B-9B (※ANIMEX:未収録)
第38章 受験番号は13番
Disc2:乙女心のメヌエット:B-1B (※ANIMEX:未収録)
Disc2:風のふるさとへ:B-1C (※ANIMEX:未収録)
第41章 クイーン学院への旅立ち
Disc1:夏の光・海辺の夢:C-4 (※ANIMEX:未収録)
第44章 クイーン学院の冬
Disc2:冬のセレナーデ:A-1A (※ANIMEX:未収録)
第46章 マシュウの愛
Disc2:マシュウの愛:B-1A (※ANIMEX:未収録)
第47章 死と呼ばれる刈り入れ人
Disc2:めぐる季節:B-3C (※ANIMEX:第八楽章)
Disc2:冬のセレナーデ:B-17C (※ANIMEX:未収録)
Disc2:レクイエム:B-3 (※ANIMEX:レクイエム)
第49章 曲がり角
Disc2:神は天にいまし:G-2C (※ANIMEX:第一楽章)
第50章 神は天にいまし、すべて世はこともなし
神は天にいまし:A-2E (※ANIMEX:第十楽章)
「涙がこぼれても」歌:大和田りつこ
エンディング
「さめない夢」歌:大和田りつこ
アンコール
「きこえるかしら」歌:大和田りつこ
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オープニングでアニメのオープニング映像と当時の音声を流し、アンコールで生歌の「きこえるかしら」を聴かせる構成がニクいですね。盛り上がりました。
第36章で1部を区切ったのは、次の第37章でアンが十五歳になり、キャラクターデザインが大きく変わるからでしょう。リアルタイムで観ていたときも、はっとしたところです。第37章からが成長したアンの物語になり、雰囲気も変わる。この構成もうまいです。
第2部の前にトークコーナーがありました。アン役の山田栄子さんと歌の大和田りつこさん、そして指揮の井田勝大さん。いろいろ裏話が聞けて興味深かったです。昼の部と夜の部で基本的に内容は同じですが、細部が微妙に違う(笑)。両方聞けた人はラッキーでした。
1部の1曲目「プリンスエドワード島へ:A-1A(Retake)」から「おお、アンの音だ!」と感激しました。続く「プリンスエドワード島へ:A-5」「よろこびの白い道:B-2B」も本編第1章と同じ流れで気分が盛り上がります。
アンがダイアナと初めて会う場面の「おごそかな誓い:B-9A」が身もだえするほど美しく、うっとりしてしまいました。
弦合奏が奏でる優雅な「秋の訪れ:C-8」も好きな曲です。アヴォンリーの秋の情景に流れました。
「雪降る聖夜:B-12-2」はマシュウがアンのためにふくらんだ袖のドレスを用意するエピソードで使用。クリスマスイヴの夜を彩るチェレスタの音色に心がほっと温かくなります。
1部の最後に流れた「神は天にいまし:A-1」はノスタルジックな旋律が心にしみる曲。クリスマスのコンサートが終わり、余韻に包まれながら帰るアンとダイアナのシーンに選曲されていました。
2部はマリラがアンの成長に驚く「十五歳の春:B-16」から始まります。続く「十五歳の春:B-9B」はジョセフィンおばさんがアンの成長に感動するシーンに流れた曲。
「冬のセレナーデ:A-1A」は1部の1曲目に流れた「プリンスエドワード島へ:A-1A(Retake)」のテンポの遅い別ヴァージョンなのですが、お気づきになったでしょうか? アヴォンリーのテーマとも呼べる曲です。
次に演奏された「マシュウの愛:B-1A」は今回のコンサートでとりわけ感動した曲です。聴くたびに「1ダースの男の子よりもだよ」というマシュウのセリフを思い出し、うるうるしてしまいます。
「めぐる季節:B-3C」はリコーダー、オカリナとギターが奏でる曲。ほかのバロック風の曲とはひと味違うサウンドで、さわやかな味わいがすてきでした。
アンが重大な決心を胸に海岸を歩くシーンの映像をバックに流れた「神は天にいまし:G-2C」は挿入歌「ちょうちょみたい」をアレンジした曲。アニメのそのシーンでは「ちょうちょみたい」の歌入りが流れていました。
最終話のアンが手紙をつづるラストシーンに流れた「神は天にいまし:A-2E」をバックに山田栄子さんによる生アフレコが入り、1979年当時に観たときの感動がよみがえりました。A-2Eのあとに挿入歌「涙がこぼれても」が続くのはアニメの最終話と同じ流れです。
大和田りつこさんが歌った挿入歌「森のとびらをあけて」「あしたはどんな日」の2曲は三善晃さんの作編曲、「忘れないで」と「涙がこぼれても」の2曲は毛利蔵人さんの作編曲によるものです。とりわけ、「忘れないで」のやさしく可憐なメロディーとオーケストレーションが私は当時から大好きでした。『赤毛のアン』の音楽というと三善晃さんの名前が第一に上ることが多いですが、毛利蔵人さんのすぐれた才能ももっと注目されるべきと思います。
全体の構成は、「赤毛のアン 想い出音楽館」を参考にしつつ、実際の本編使用曲を調べて独自に選曲・構成したようですね。
続きを読む:赤毛のアン アニメコンサート
二人の宇宙戦艦ヤマト
11月5日、東京オペラシティコンサートホールで「二人の宇宙戦艦ヤマト」夜の部を聴きました。
宮川彬良指揮、東京フィルハーモニー交響楽団の演奏。
よかった!
すばらしかったです。
先行抽選でチケット取ったのですが、実は公演内容をよく把握してなくて、当日になって指揮が宮川彬良さんと知り、「え、彬良さんが振るんだ」と驚く始末。
そして、発券したら席が1階の前から2列目。
「ステージに近すぎるよ~」と思ったものの、むしろラッキーだった。
中央ブロックの左手通路側の席で、目の前がピアノ。
ピアノのスコアと奏者の手元まで見える恰好の席でした。
で、開演すると、彬良さんとヴァイオリンの篠崎史紀さん(マロさん)のトークショーが始まり、またびっくり。しかし、彬良さんならむべなるかな。
トークの内容は、同世代(1960年前後生まれ)の方なら共感するに違いない、テレビで流れていたサウンドトラックの話題で、2人の生演奏付き。まさかヤマトのコンサートに来て60年代の特撮番組の音楽が聴けるとは(笑)。
コンサートタイトル「二人の宇宙戦艦ヤマト」の「二人」は、宮川泰と羽田健太郎のことでもあるけれど、宮川彬良さんと篠崎史紀さんの「二人」という意味も込められているのだそうです。
肝心のコンサートですが、1部が宮川泰作曲の組曲「宇宙戦艦ヤマト」、2部が羽田健太郎作曲の交響曲「宇宙戦艦ヤマト」。
組曲「宇宙戦艦ヤマト」は「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」の抜粋に『さらば宇宙戦艦ヤマト』から「大いなる愛」を加えたプログラム。宮川泰さんが晩年にコンサートで演奏していたものがベースになっています。
いつもは「序曲」「宇宙戦艦ヤマト」「出撃(決戦)」「大いなる愛」の4曲構成なのですが、今回は「直筆のスコアが発見されたので」ということで、「イスカンダル」が加えられました。
オーケストラに宮川彬良さんのピアノ、リズムセクションを加えた、シンフォニックポップススタイルの演奏。スキャットはオペラ歌手として活躍する林美智子さん。「これがヤマトの音だよな~」と思える好演でした。
第2部は1時間近くある大作、交響曲「宇宙戦艦ヤマト」。
羽田健太郎が西崎プロデューサーのダメだしをくらいながら苦心して書き上げたスコアですが、まじめに演奏するとあまり面白くないのです。ハネケンらしくない。
彬良さんは、フォルテは思い切り鳴らし、歌うところは思いきり歌い、外連味もきかせた演奏で聴衆をぐいぐい惹きつけます。
第1楽章の「イスカンダル」のメロディーは夢みるように美しいし、第2楽章に組み込まれた『宇宙戦艦ヤマト 完結編』のモティーフ(「コスモタイガー」「神殿部の闘い」「ウルクの歴史」)が原曲さながらの緊張感で迫ってくる。
あたかも「宮川泰先生が指揮していたらこうなっていたんじゃないか」と思わせる熱演、力演。
観客のみなさんが1楽章ごとに拍手したくなる気持ちがわかります。
そしてまたしてもびっくりしたのは、第4楽章のヴァイオリンとピアノの独奏が入るドッペルコンチェルト。彬良さんがピアノを弾くんだと思っていたら、娘さんの宮川知子さんがピアノですよ。
ほんの数メートル手前で演奏を観ていましたが、速いパッセージを奏でるときの集中力、強く打鍵するときの全身の力の入り具合まで伝わってきて、こちらも思わず力が入ってしまいました。魂のこもった演奏でした。
終演後は拍手が鳴りやまず、カーテンコールが2回、3回と。
アンコールは「交響組曲」版の「真赤なスカーフ」。
いやー、いいもの聴かせて&見せてもらいました。
交響曲「宇宙戦艦ヤマト」は何回か生演奏を聴きましたが、今回は格別でしたね。
会場販売のスコアも買いました。
また、どこかで再演してほしいものです。
「カレイドスター20周年音楽祭」クラウドファンディング
TVアニメ『カレイドスター』の放送20周年を祝う「カレイドスター20周年記念音楽祭」のクラウドファンディングがスタートしました。
ご縁あって、2015年に《SOUNDTRACK PUB》レーベル第11弾として完全版サウンドトラックCDをリリースした、私にとっても思い出深い作品です。
『カレイドスター』ファンのみなさま、よろしくお願いします!
クラウドファンディング実施期間:2023年10月4日22時~2023年11月23日23時59分
オルガン×ベルサイユのばら
8月11日、サントリーホール大ホールで開催されたコンサート「オルガン×ベルサイユのばら」を聴きました。
サントリーホールの企画による「サントリーホールでオルガンZANMAI!」のプログラムのひとつです。
「オルガン×ベルサイユのばら」はTVアニメ版『ベルサイユのばら』の音楽をパイプオルガンで演奏しながら、俳優の七海ひろきさんがストーリーを朗読するという企画。
まず、アニメ版『ベルばら』の音楽をパイプオルガンで演奏するという企画が驚きです。しかも、主題歌やアルバム用に書かれた挿入歌・インスト曲だけでなく、CD「ベルサイユのばら 音楽集[完全版]」で初めて商品化されたオリジナルBGMも演奏曲に含まれている。まさか自分がタイトルを付けた曲がサントリーホールのパイプオルガンで演奏される日がくるとは夢にも思っていませんでした。
七海ひろきさんは宝塚の男役スタートして活躍し、『ベルサイユのばら』でオスカルを演じたことがある方。『ベルばら』の語り手として申し分ありません。そして「朗読」と言いつつ、セリフがあるところはオスカルやアントワネット、アンドレ、フェルゼンになりきっての熱演。パワフルかつ情感のこもった演技に圧倒されました。
パイプオルガンが演奏する馬飼野康二先生の名曲と七海ひろきさん入魂の演技でアニメの名場面がよみがえります。
最初この企画を聞いたときは、原作か宝塚版『ベルばら』寄りなのでは?と思ったのですよ。
ところが、ほんとにTVアニメ版そのままでびっくりしました。
アニメ版で原作から変えたところもアニメ版通りになっている。あまりにそのままで、「大丈夫なのかな?」と心配してしまうくらい。
『ベルばら』を取り上げながら、TVアニメ版にフォーカスした、非常にマニアックなコンサートでした。「完全版」CDを作ったとき、トムス・ミュージックの方に「コンサートできないですかね?」と相談されたことがあるのですが、スコアの用意やオーケストラの編成などを考えると難しいのでは…?と思っているうちに立ち消えになりました。
その企画が形を変えて実現したような思いです。
出演者は、パイプオルガン演奏の原田真侑さんと朗読の七海ひろきさんのふたりだけ。しかし、『ベルばら』の世界がみごとに再現されていました。カーテンコールで拍手が鳴りやまず、最後は客席全体でスタンディングオベーションになりました。
いやー、すばらしかったです。
アーカイブ動画の有料配信が行われるそうですので、会場に行けなかった方、興味を持たれた方はぜひどうぞ。
チケットは11日18時から発売中。
視聴期間は8月18日10時~8月24日23時です。
www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20230811_M_3.html
視聴チケット購入はこちら
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/dsh/streaming/
続きを読む:オルガン×ベルサイユのばら