腹巻猫のブログです。
主にサウンドトラックやコンサート、映像作品などについて書いています。
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フィルフィルコンサート「Musical! Musical!! Musical!!!」
2月11日、ミューザ川崎で開催されたフィルフィル(Film Score Philharmonic Orchestra)コンサート「Musical! Musical!! Musical!!!」に行ってきました。
タイトルどおり、テーマはミュージカル映画。
『グレイテスト・ショーマン』(2017)
『アラジン』(1992)
『ノートルダムの鐘』(1996)
『オペラ座の怪人』(1986)
『キャッツ』(1981)
『レ・ミゼラブル』(1985)
『ウエスト・サイド・ストーリー』(1957)
と80年代以降の新しめの作品を中心にしたセレクト。
休憩を挟んで3時間あまり、充実の内容でした。
ディズニーのアニメ映画『アラジン』『ノートルダムの鐘』は組曲でオーケストラ音楽をたっぷり聴かせるフィルフィルらしい構成。
やっぱりアラン・メンケンはいい曲書くなあ。
ミュージカルの音楽はキャッチーで華やかで踊れる曲が多く、客席も盛り上がります。
いちばん驚いたのは歌手やコーラスグループが次々と登場して、ミュージカルナンバーを歌ってくれたこと。
ミュージカル特集だから当然ではあるのだけれど、これまでのフィルフィルコンサートを聴いてきた私は、「おおーっ」と思いましたよ。
フィルフィルといえば『スター・ウォーズ』やジョン・ウィリアムズなどのシンフォニックな音楽が中心で、コンサートでヴォーカル曲を取り上げることはほとんどなかったのです。
今回はがらっと雰囲気が変わりました。聴衆の顔ぶれもこれまでと違う印象で、新しいファンを開拓したのではないでしょうか。
歌という新たな武器を手に入れたフィルフィルはどこへ向かっていくのか。次回も楽しみです!
「全プリキュア展」に行ってきた
池袋サンシャインシティで開催中の「全プリキュア展」に行ってきました。
平日昼間なら空いてるだろうと思ってましたが、すごい人出でした。
ほぼ95%が女子。10代~20代くらいの若い方が多い(学校は休みなのか?)。あとは親子連れ。男子はほとんどいない。
六本木で開催されていた『美少女戦士セーラームーン展』と比べても、ぐっと来場者の年齢が若くなり、女子率が高い印象です。
エントランスにフォトスポット(ここで渋滞してた)。
プリキュアの歴史を紹介するパネル。
各シリーズのキャラクターデザイナーたちによる20周年描き下ろしイラストギャラリー(ここも大混雑)。
歴代プリキュア主人公(主にピンク)の等身大フィギュア。
各シリーズを設定画や映像、おもちゃなどで紹介する「全プリキュアメモリーズ」コーナー。
秘蔵ギャラリー(企画書、台本、絵コンテ、原画など。撮影不可)。
変身シーンをマルチモニターで見せるシアター(人ごみでぜんぜん観られず)。
物販コーナー。
といった構成。
「THE仮面ライダー展」ほどではないですが、すごい量の展示でした。
メインは「全プリキュアメモリーズ」。
各シリーズのブースが作品のモチーフやテーマにちなんだデザインになっていて、なかなか凝ってます。『ふたりはプリキュア』は白と黒、『プリキュア5 GoGo!』はバラ、『ハートキャッチプリキュア!』は花、『スマイルプリキュア!』は本棚、『ドキドキ!プリキュア』はトランプ、『プリンセスプリキュア』は宮殿風、『プリキュアアラモード』はお菓子、『スター☆トゥインクルプリキュア』は宇宙、といった具合。
プリキュアだけでなく悪役キャラの紹介パネルもあって、うれしかったです。
来場者が想い出のプリキュアのコーナーに足を止めて、記念写真を撮ったり、話し込んだりしている光景がほのぼします。
プリキュアの仕事をしていても、本来のターゲットである子どもたちの反応を観る機会はほとんどないので、「ああ、愛されていてよかったなぁ」と。
「全プリキュア展」は、プリキュアとともに育った子どもたちやシリーズを見守ってきた方たちが集う、壮大な同窓会みたいなものですね。
ただ、みんな熱心に観ているので、あまり展示に近寄ってじっくり観られなかった。
ちなみに音楽商品の展示はありませんでしたよ。残念…。
等身大フィギュアは太秦映画村に展示されていたものと同じでした。ということは、今、太秦では主人公を除くプリキュアたちが勢ぞろいしているのでしょう。あれを全部持ってくるには展示スペースが足りないから、しかたないか。でも、ホールをもうひとつ借りて展示したら、案外盛り上がったのではと思います。
物販コーナーでは目当ての図録が売り切れ…。
記念に限定グッズのコースターを1個買いました。
「全プリキュア展」東京会場の開催は2月19日まで。
https://www.toei-anim.co.jp/all_precure_exh/
池袋駅からサンシャインシティまでの複数の通りに、「全プリキュア展」にちなんだ街路灯フラッグがずらりと飾られてます。しかも、よく見ると商店街別に違うタイプのフラッグを掲示してる。
風が強かったのと日が暮れてきたので、撮りきれませんでした。コンプリートはまたの機会に(コンプリートするのか?)。
「テス」4Kリマスター版
映画『テス』4Kリマスター版を観てきました。
1979年公開の英仏合作映画。ロマン・ポランスキー監督。
原作はトマス・ハーディの『ダーバヴィル家のテス』。
19世紀末のイングランドを舞台に、貧しい農家に生まれた娘テスのたどる過酷な運命を描く物語です。
このたび4Kリマスター版が作られ、劇場で特別公開中。
初めて観たのはたぶん80年代。名画座にかかっていたのを観たと思います。
ロマンティックな文芸映画と思って観に行ったので、メランコリックな展開と衝撃的なラストに意表をつかれました。
なにが気に入ったのか、その後、もう一度劇場で観たことを覚えています。
3時間近くある長い映画なのに。
私の中では名作とか感動作というのとはちょっと違う、心にひっかかる映画。青春時代の思い出の1本でもあります。
主演のナスターシャ・キンスキーがひたすら美しい。
彼女を観るための映画と言ってもいいくらい。
もちろんそれだけではなく、19世紀の農村の風景を再現した映像と細部までこだわったポランスキーの演出も見ごたえがある。
今回4Kリマスターされて、さぞ鮮やかな美しい映像になったろうと期待してましたが、けっこう彩度を抑えた渋めの画です。
なにせ青空が見えるシーンがほとんどない。もちろんそれは監督のねらいで、天候もまたテスの運命を暗示しているわけです。
なんといってもポランスキー監督は『ローズマリーの赤ちゃん』を撮った人だから…。牧歌的な情景の中に暗い影が忍び寄って来るような、そこはかとない不安に映画全体が満たされている。最初に観たときも、そこにすごく惹かれた気がします。
映画の記憶っておそろしいもので、何10年ぶりかで観たのに、けっこう細部を覚えていましたね。
先の展開がわかっているので、「ああ、ここが映画的暗示になっている」と気づいて感心することが多かった。
そして、フィリップ・サルドの音楽がすばらしい。
これは初見のときから感動しました。メインタイトルの場面からうっとりします。
「これぞフランス映画音楽!」みたいな、もの悲しく美しいメロディーの曲。演奏はカルロ・サヴィーナ指揮のロンドン・シンフォニー・オーケストラ。
当時、すぐにサントラレコードを買って、愛聴してました。
劇場特典の『スクリーン』の表紙を使ったチラシもゲット。
ポストカードを売ってたので記念に買ってきました。
まだ観られる劇場もあるみたいなので、興味ある方はぜひ劇場で。
https://tess-movie.com/
追悼・天沢退二郎さん
詩人・作家・フランス文学者・宮沢賢治研究家の天沢退二郎さんが25日に亡くなりました。
とても残念です。
☆天沢退二郎さん死去 仏文学者、賢治研究
https://www.tokyo-np.co.jp/article/227877
長編ファンタジー『光車よ、まわれ!』は、たしか小学5年生の誕生日に買ってもらった本。
自分で選んだのではなく、「本屋の店員がこれがいいと言っていた」と親が買ってきたのです。
一読、衝撃を受け、以来、愛読書になりました。
その後、ファンタジー「オレンジ党」シリーズや幻想童話集『夢でない夢』、長編『ねぎ坊主畑の妖精たちの物語』などを追いかけて読み、天沢さんの現代詩や評論、翻訳にも手を伸ばしました。
『少年と川』『マリクロワ』など、フランスの作家アンリ・ボスコの作品を読んだのも天沢さんが翻訳を手がけていたから。
大人になってから宮沢賢治をちゃんと読んだのも天沢さんの影響。
天沢さんの幻想文学論や詩人ならではの言葉のセンスには大いに刺激を受けました。
2004年に『光車よ、まわれ!』のハードカバーが復刊されたとき、トークイベントに行ってサインをもらいました。
奥様でイラストレーターのマリ林さんからも一緒に。
「子どもの頃からのファンです」とご挨拶できたのが大切な思い出になりました。
生涯忘れられない読書体験をありがとうございました。
どうぞ安らかに。
☆【評伝】天沢退二郎さん 圧倒的に熱く語った宮沢賢治「宇宙人にも感動してもらえるように」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/227962
「かがみの孤城」ティーチイン上映会
1月22日、新宿ピカデリーで開催されたアニメ映画『かがみの孤城』のティーチイン上映会に行ってきました。
『かがみの孤城』は辻村深月さんの原作小説を原恵一監督がアニメ化した作品。学校に行けなくなった中学生の少女・こころが、鏡の向こうにある孤城に招かれ、6人の少年少女とともに城の中に隠された「望みが叶う鍵」を探す物語です。
異世界冒険ものと思いきや、少年少女の繊細な心理を描く、ファンタジーミステリー。
原作は、『思い出のマーニー』や『秘密の花園』といった児童文学の名作の系譜を継ぐ、みごとな作品。それをアニメならではの表現を使って映像化した原恵一監督の手腕に唸らされます。原監督の作品の中では、同じファンタジーでも『バースデー・ワンダーランド』よりも『カラフル』に印象が近い。富貴晴美さんの音楽も秀逸でした。
劇場ですでに観ていたのですが、今回は、原恵一監督と音楽の富貴晴美さんによるトークセッションということで参加。
予定の時間をオーバーしておよそ45分、貴重な話が聞けました。
原監督と富貴さんのコンビ作品は4作目。話は原監督と富貴さんとの出会いから始まり、本作の音楽のことへ。
メインテーマはなかなか原監督のOKが出ず、12回も書いたそうです。そのときの監督の注文が「あなたはまだ7人の子どもたちの魂を救えていない」というもので、容赦なくハードルを上げる原監督の粘りもすごいし、それに応えた富貴さんもすごい。結果生まれたのが「かがみの孤城」と名付けられたメインテーマです。最初はやさしい曲を書いていたけれど、「救う」という気持ちを前面に出したテーマにしてOKが出たとのこと。
クライマックスには9分以上の長い曲「全員の真実」が流れます。この曲も何度かデモをやりとりして仕上げたそう。途中エレキギターを使うパートがあるのは監督のリクエストだったなど、作曲秘話が語られました。
原監督はアフレコ台本と音楽メニューを持参してきて、そこに書き込まれたメモを見ながら、音楽演出にまつわる裏話を紹介。ダビング時に音楽の音量をカットに合わせて調整したり、音楽が始まる位置を微妙に調整したりする話は興味深く、監督が音楽による演出を非常に繊細に考えていることがわかって有意義でした。
ただ、原監督の話が熱が入りすぎて、富貴さんのコメントがあまり聞けなかったのは少し残念。
観客とのQ&Aでも音楽に関する質問がほとんどなかったのがもったいなかった。
しかし、最後の挨拶のときに富貴晴美さんが「私も学校に行けない子どもだったんです」と話し始めて、聞き入りました。
富貴さん、小学校のときにいじめられていたことがあり、本作の主人公・こころのように朝になると体調が悪くなり学校に行けなくなったそうです。でも、母親は「いやだったら学校行かなくてもいいよ」というすばらしい対応で、毎日うちで映画ばかり、1日に8本も観ていたそう。「だから、今こうやって映画音楽家になれているのかな」と、この日いちばんのいい話が聞けました。
「辛かったら逃げていいんです」という富貴さんの言葉が胸にしみました。
エンニオ・モリコーネ 映画が恋した音楽家
観ました!
映画『エンニオ・モリコーネ 映画が恋した音楽家』
2020年に亡くなった作曲家・エンニオ・モリコーネの生涯を描いた映画。
上映時間157分。
観る前は「長いか?」と思ったけど、ぜんぜんそんなことなかった。
あっという間でした。
モリコーネの少年時代からアレンジャー時代、映画音楽デビュー、そして、数々の作品を生み出して世界的人気を得るまでを、インタビューとドキュメント映像と映画の映像でたどる構成。
ジョゼッペ・トルナトーレ監督の編集のうまさもあって、まったく飽きない。
モリコーネの最期5年間に密着した映像、モリコーネを敬愛する監督、作曲家、音楽家らのインタビュー、そして、モリコーネが担当した映画の映像が巧みな編集で繋げられ、実にスリリングで刺激的。
モリコーネが監督とどんな話をしたか、どんな発想で音楽を作ったか、映画音楽と純音楽の関係についてどう考えていたか、など、創作の秘密にも迫った映画音楽ファン必見の内容です。
今、「モリコーネの魅力」と問えば「美しいメロディー」と誰もが言いそうですが、モリコーネ音楽のルーツには現代音楽(実験音楽・前衛音楽)がある。それもしっかり押さえられていてよかった。
それにしても、名だたる監督の映画の映像がふんだんに登場することのぜいたくさよ。
トルナトーレが本作を監督するにあたってプロデューサーに最初に頼んだことが、「モリコーネが関わった映画のシーンを自由に使わせてほしい」ということだったとか。静止画ではなく、映画の映像と音声がたっぷり挿入されている。
『荒野の用心棒』『シシリアン』『1900年』『ミッション』『ニュー・シネマ・パラダイス』『アンタッチャブル』といった著名な名作から、『アルジェの戦い』『ポケットの中のこぶし(握り拳)』『死刑台のメロディ』といった渋い作品まで幅広く紹介されていて感動しました。
これも観た、これも観た、これはサントラだけ聴いた、とか、いちいち記憶が掘り返されます。
観たことも聴いたこともない(私にとっては)珍しい作品も登場。
タイトルだけ知っていて、「これがあの作品かぁ」と思うこともしばしば。
あちこちで言ったり書いたりしてることですが、小学生のときにラジオから流れてくるモリコーネの音楽を聴いてなかったら、そして、モリコーネのベストアルバムを買わなかったら、サントラファンになってなかったかもしれない。
もう50年もモリコーネの音楽を聴いてきたことになります。
ありがとうモリコーネ。
映画の中では当然ながら、モリコーネの音楽がずっと鳴っている。音楽録音やコンサートなどの演奏風景もたっぷり紹介される。
モリコーネの音楽に包まれ、映画の記憶に心満たされる至福の時間でした。
パンフレットには富貴晴美さんの作曲家ならではの視点のコメントが載っていて、これを読むだけでも買う価値あります。
☆映画『エンニオ・モリコーネ 映画が恋した音楽家』公式サイト
https://gaga.ne.jp/ennio/
THE仮面ライダー展
ボーッとしてたら今週末までになっていたので、行ってきました。
「THE仮面ライダー展」
50年の歴史は伊達じゃなかった。
大変な量の展示です。
会場の外に全ライダー作品のパネルと劇場版ポスターの展示があり、早くもテンションが上がります。
入場してすぐに、仮面ライダー1号の展示。
藤岡弘、さんのメッセージ映像が流れて、期待を盛り上げます。
いよいよ展示の本編。
導入は石ノ森章太郎の漫画版。
続きを読む:THE仮面ライダー展
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を観ました。
2009年に公開された映画『アバター』の続編です。
上映時間3時18分。
しかし、長いという印象はあまりありません。
3時間超の映画というより、全4~5話のシリーズものを一気観したような印象。
たっぷり異世界にひたってきました。
IMAXの大スクリーンで観るのにぴったりの作品です。
前作のときも思ったのですが、アン・マキャフリイの「パーンの竜騎士」シリーズっぽいなぁと思う描写がところどろこあります。
今回は『竜とイルカたち』という海が舞台の一編を思わせる。途中まで、そのイメージを重ねながら観てました。
パンドラの海の生き物たちと原住民(ナヴィ)との交流が見どころです。
ただ、最後はやっぱりアクション(というか戦争)。
アメリカ映画だし、監督が『エイリアン2』のキャメロンだからこうなるんだろうけど、そういうのはもういいかな、という感じ。
異世界紀行みたいな部分がもっと観たかったなぁ。
「ブループラネット パンドラ編」みたいな映画。
それだとヒットしないと思うけど。
牡蠣のビリヤニと穴子のパコラ
1月2日限定のデリー銀座店のイベントに参加してきました。
毎年恒例、この日だけのスペシャルメニューが食べられる日なのです。
ここ数年はコロナを警戒して行けてなかったので、参加は久しぶり。
今年は、
・濃い味のエビスープ
・牡蠣のビリヤニ
・牡蠣のグレイビーソースとライタ
・穴子のサクサクなパコラ
・菊芋と長ネギのサブジ
デザートに
・フランボアーズシャーベット
・イラニチャイ(40分以上煮込んだ濃厚ミルクティー)
というメニュー。
濃厚なエビ風味のスープ、牡蠣のだしがしみたビリヤニ、衣はサクサク、中の身はふわふわのパコラなど、牡蠣好き、カレー好きにはたまりません。
ビールと一緒に味わう幸せなひとときでした。
2023年、あけましておめでとうございます
あけましておめでとうござます。
本年もよろしくお願いいたします。