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腹巻猫のブログです。
主にサウンドトラックやコンサート、映像作品などについて書いています。

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8/17 フィルフィルコンサート ジェリー・ゴールドスミス特集

8/17 フィルフィルコンサート ジェリー・ゴールドスミス特集

8月17日は、東京オペラシティコンサートホールで開催されたフィルフィル(フィルムスコアフィルハーモニックオーケストラ)のコンサート、ジェリー・ゴールドスミス特集を聴きました。

サントラファンに人気の映画音楽作曲家、ジェリー・ゴールドスミスの作品だけで構成したコンサート。まさに待望!といったところです。

第1部では、『エアフォース・ワン』『氷の微笑』『風とライオン』『ムーラン』『グレムリン』などバラエティに富んだ作品を。

第2部はホラー・サスペンス特集として、『猿の惑星』『エイリアン』『ポルターガイスト』『オーメン』など。『オーメン』の「Ave Santani」のコーラスが圧巻でした。

第3部は『マッカーサー』『パットン大戦車軍団』『スター・トレック』『トータル・リコール』など、大編成オケの醍醐味が楽しめる作品を。『トータル・リコール』は盛り上がりますね。

『パピヨン』など流麗なメロディーが聴ける作品もあればよかったなぁと思いましたが、満足です。アンコールに『ルディ/涙のウイニング・ラン』を演奏してくれてうれしかった。

次回のフィルフィルコンサートは2025年3月1日。ジョン・ウィリアムズ特集だそうです。

フィルフィルコンサート 2024.08.17

8/10「機動戦士Zガンダム」「逆襲のシャア」コンサート

8/10「機動戦士Zガンダム」「逆襲のシャア」コンサート

忙しくてブログが書けていませんでしたが、備忘的に8月に聴いたコンサートの記録を。

8月10日は仙台銀行ホール イズミティ21大ホールで開催された仙台フィルハーモニー管弦楽団のエンターテインメント定期第2回「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」のコンサートに足を運びました。

仙台フィルのエンターテインメント定期を聴くのは「コードギアス 反逆のルルーシュ」に続いて2回目。

今回は三枝成彰作曲の2作品です。目玉は「機動戦士Zガンダム」で、スコアが所在不明になっていた「交響組曲 Zガンダム」を全曲演奏。この企画を進めているあいだに、スコアが発見されたのだそうです。なんとコンサートとしては世界初演!

弦が12型。トランペットが6本、トロンボーンが4本(バストロンボーン1本)、チューバ2本という厚い金管が迫力です。
現代音楽的な技巧的なスコアと美しいメロディーが交互に現れる緊張感に富んだ作品。発売されたレコード版とは異なる部分もあり、楽しめました。

仙台フィルのエンターテインメント定期は、これからも注目していきたいと思います。

仙台フィルコンサート 2024.08.17

「渡辺岳夫 ドラマ音楽メモリアル」発売!

「渡辺岳夫 ドラマ音楽メモリアル」発売!

《SOUNDTRACK PUB》レーベル第36弾「渡辺岳夫 ドラマ音楽メモリアル」が8月28日に発売になりました。

なかなかの難産でしたので、無事発売できてほっとしています。

渡辺岳夫が1978年から80年代にかけて手がけたTVドラマ音楽をCD2枚にコンパイルした作品集。目玉は『白い巨塔』ですが、DISC2に収録した作品もおすすめです。

田辺聖子原作らしいペーソスがじんわりと沁みる『朝ごはんぬき?』。女声スキャットを使った音楽がユニークでおしゃれな『ご近所の星』。美しいメインテーマが印象的な『妻たちは…』。

個人的にお気に入りは平岩弓枝ドラマシリーズ『花ホテル』。花で彩られたホテルが舞台のドラマにふさわしく、華麗なイージーリスニング風の音楽がたっぷり聴けます。

渡辺岳夫が亡くなる5か月前に放送された『結婚行進曲』も、渡辺岳夫らしい流麗なメロディが聴ける作品。しみじみと聴いてしまいます。

没後30年の今年、渡辺岳夫が遺した音楽に耳を傾けていただけるとうれしいです。

渡辺岳夫 ドラマ音楽メモリアル

「レッツゴー!サントラさんVI」終了しました

「レッツゴー!サントラさんVI」終了しました

8月26日に明大前Cafe Bar LIVREで開催したイベント「レッツゴー!サントラさんVI~今宵を愉しく~」無事終了しました。

たくさんの応援、ご来場、ありがとうございました!

第1部は8月28日発売のCD「渡辺岳夫 ドラマ音楽メモリアル」発売記念特集
第2部はヘンリー・マンシーニ生誕100年記念特集

の2本立てでお送りしました。

イベントの中でも話しましたが、渡辺岳夫とヘンリー・マンシーニは誕生日が同じ4月16日なのですね。
渡辺岳夫は1933年4月16日生まれ、ヘンリー・マンシーニは1924年4月16日生まれ。
奇しき縁の2人の音楽、お楽しみいただけましたら幸いです。

ではまたいつか、「レッツゴー!サントラさんVII」でお会いしましょう!

サントラさんVI

Soundtrack Pub【Mission#45】終了しました

Soundtrack Pub【Mission#45】終了しました

6月15日に開催した「Soundtrack Pub【Mission#45】『牧場の少女カトリ』発売記念!」、無事終了しました。

たくさんのご来場、応援、ありがとうございました!

尾崎順一さんのDJ(私の"アガる"アニメ劇伴!)で開幕。

新コーナー「1枚のアルバム」の最初のゲスト・尾山ノルマさんが選んだのは、「交響組曲 宇宙海賊キャプテンハーロック」。
横山菁児の緻密な構成とオーケストレーションが光る名盤です。私も思い入れのある1枚で、聴きながらいろいろなことを思い出しました。

交響組曲 宇宙海賊キャプテンハーロック

特集「『牧場の少女カトリ』発売記念」トークでは、制作裏話、CDの聴きどころなどを紹介しました。

「1枚のアルバム」2人めのゲスト・西村誠芳さんが選んだのは、「科学救助隊テクノボイジャー 音楽集」。
1982年、ノリにノッている時期の羽田健太郎の作品。クラシック系からフュージョンまでハネケンの幅広い才能が楽しめる1枚です。実はこのアルバム、ちゃんと聴いたことがなく、西村さんに呆れられてしましました(すみません)。

科学救助隊テクノボイジャー 音楽集

深井歪さんのDJで締めくくりとなりました。

ゲスト出演者のみなさま、ありがとうございました。

お楽しみいただけましたら幸いです。

次回開催は9月頃を予定しています。 お楽しみに!

シンフォニック コードギアス リベリオン

シンフォニック コードギアス リベリオン

5月4日、仙台銀行ホール イズミティ21大ホールで開催された仙台フィルハーモニー管弦楽団のコンサート「シンフォニック コードギアス リベリオン」に足を運びました。

大変な力演でした。しびれました。

アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』の音楽をオーケストラ組曲に編曲して演奏するという趣向。
しかし、アニメのイベント的な演奏会ではないんですね。仙台フィルの定期演奏会の一環なのです。だからアニメの映像を映し出す演出もないし、アニメのグッズなども売ってない。
それなのに『コードギアス』というセレクトが渋い。人気作品ではありますが、一般的知名度はそれほどではないと思われ。しかし、今でも新作が作られている現役の作品です。人気の定まった懐かしい作品ではなく、最新の作品を取り上げようという心意気がうれしくなります。

アニメのオリジナル音楽の作曲は中川幸太郎さんと黒石ひとみさん。
中川幸太郎さんはブラスを豪快にならすアクションもの(スーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズなど)の音楽で知られていますが、もともとは藝大で現代音楽を学んだ人で、しかもバリバリの前衛音楽を書いたりしていたそうです。アニメ『プラネテス』や『GOSICK』の音楽にその片鱗が聴けます。
で、『コードギアス』は一応ロボットアニメではありますが、お話は暗くてシリアスな展開が多い。派手な曲もありますが、現代音楽的な響きもたっぷり聴ける作品なのです。つまり、クラシックのオケでやるのにぴったり。

編曲はクラシック系の佐野秀典さん。このコンサートのためのオリジナルアレンジです。
もともと生演奏を前提に書かれていない原曲をホールの生演奏で鳴らすように、一部楽器を変えたり(ギターをハープに、サックスをクラリネットになど)、楽器を加えるなどしてアレンジしていました。オリジナルスコア準拠ではなく、オーケストラで鳴らすことを考えた編曲。『ウルトラセブン』のオリジナルBGMが『交響詩ウルトラセブン』になったみたいな感じ。楽団員の見せ場になるソロパートも随所に組み込まれています。

プログラムは『コードギアス 反逆のルルーシュ』と続編『『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』の音楽を第1幕~第3幕に分けて構成した組曲になっています。
オーケストラは仙台フィルのメンバーに客演奏者を加えた100人近い大編成。
最初に演奏された「序曲」(原曲はサントラ1枚目の1曲目に収録された「0」)からスピード感と躍動感あふれる演奏で、シンフォニックロックのような趣。思わず身を乗り出してしまう。
組曲に構成された原曲は全40曲くらい。1曲1曲は1~2分程度の短い曲なので密度が濃い。2時間のコンサートでしたが、3時間聴いたくらいの充実感と疲労感がありました。オーケストラの集中力もすごかった。仙台フィルの「本気」を感じました。

欲を言えば、中川幸太郎さんにアレンジしてほしかったなあ~と思いますが、100人編成のスコア書くなんて大変ですからね。売れっ子の中川さんには難題かも。あと、原曲の録音に参加しているトロンボーン奏者の中川英二郎さん(言うまでもなく中川幸太郎さんの実弟)が客演してくれたら最高だったんだけどな~。
それから、せっかくプログラムを作ってるのに、楽曲紹介や編曲意図、原作曲者のプロフィールなどが載っていないのは、もったいないと思いました。そういう情報があれば、アニメを観てない人でもより楽しめると思います。

ともあれ、予想していた以上に本格的で、満足度の高いコンサートでした。仙台まで遠征した甲斐がありました。

注目すべきは、このコンサートが「エンターテインメント定期第1回」と銘打たれていること。
仙台フィルとバンダイナムコグループ(バンダイナムコフィルムワークス、バンダイナムコミュージックライブ、バンダイナムコピクチャーズ)が協力して進めるプロジェクトで、アニメなどのエンターテインメント作品の「音楽」を生演奏するシリーズなのだそうです。クラシックのプロオケがアニメの音楽を取り上げる例は最近ちょくちょく観ますが、定期で演奏するシリーズというのは初めてでは?
おそらくアニメ音楽の魅力を音楽ファンにも広げるとともに、アニメのファンにもオーケストラ音楽の魅力を知ってもらおうという趣旨だと思うのです。そのねらいは当たったようで、会場に来ていたのは圧倒的に若い客が多い。それも男性より女性のほうが多い印象。アニメのファン層を反映しているようです。
公演はアニメ人気に頼らず、あくまでオーケストラコンサートに徹しているのが清々しい。地元で親しまれている地方オーケストラが意欲的な試みをするというのも意義があると思うんです。この路線でこれからどんな展開があるのか見守りたいと思います。

次回は8月に『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の2作品のコンサートが、その次は『アイカツ!』シリーズのコンサートが決まっています。
https://www.sendaiphil.jp/e23/

続きを読む:シンフォニック コードギアス リベリオン

カレイドスター音楽祭

カレイドスター音楽祭

4月13日、めぐろパーシモンホール大ホールで開催された「カレイドスター音楽祭〈20周年の すごい 究極 オーケストラコンサート〉」に足を運びました。

カレイドスター愛にあふれた、すばらしいコンサートでした。

クラウドファンディングで支援者を募って実現したイベントです。目標500万円に対し、あっという間に3千万円超の支援を達成してしまうという快挙に驚きました。支援者だけでホールを満席にする人数(1000人以上)になったので、チケットの一般販売はしていません。会場を埋めたのは筋金入りのカレイドスターファンのみなさんということですね。

「音楽祭」の名にふさわしく、カレイドスターの曲がたっぷり聴ける夢のようなコンサートでした。演奏曲は約50曲。アニメの画像や映像を一切使わないという潔さもよかったです。

演奏は西谷亮指揮、パシフィックフィルハーモニアポップス東京。
オケは、弦が10・8・6・6・4、木管がフルート、オーボエ、クラリネット、コールアングレ(イングリッシュホルン)、ファゴット×各1、トランペット×2、トロンボーン×1、ホルン×4、パーカッション×4、ハープ、ピアノ×各1という編成。
ピアノは作曲・編曲の窪田ミナさん自身。
窪田さんらしい彩り豊かな音のタペストリーがホールにきらめきます。ぜいたくで幸せな空間でした。
ロマンティックな曲、抒情的な曲、軽快な曲、コミカルな曲、どれも表情豊か。ソロも達者で申し分ない演奏でした。特にそらたちの特訓シーンなどに流れるダイナミックな曲の迫力がすばらしかった。生オケを聴く醍醐味を味わいました。

出演者、観客のみなさんがカレイドスター愛にあふれていて、会場の熱気もすごかった。
作品とスタッフとファンの理想の関係を見る思いです。

2回目もあるかな。何年か経ってからでもよいので、やってほしいですね。

カレイドスター音楽祭パンフレット裏表紙

舞台「千と千尋の神隠し」

舞台「千と千尋の神隠し」

3月29日、帝国劇場で公演された舞台「千と千尋の神隠し」の夜の部を観劇しました。

観るのは初めて。NHKでこの舞台が初演されたときのドキュメンタリーが放送されて、なんかすごいことやっているので、ぜひ観たいと思っていたんですよ。

すごかったです。

大がかりで凝った舞台装置と、照明、プロジェクション・マッピングなどを使って異世界を構築。 特に第1幕は舞台上で常にセットが動き、組み変わっている。その中で芝居も続けられている。ちょっとタイミングが狂うと事故が起こりかねない。そのめくるめく感覚が理屈では理解しがたい異世界の雰囲気を作り上げている。よくぞ作ったと感嘆しました。

油屋を訪れる神々も見どころです。神様といっても妖怪みたいなもので、特異なデザインを、衣装や着ぐるみ、ライオンキング方式、マペット、操演などで動かし、芝居をさせる。いろんな技術が総合されてるなぁ。舞台を作り上げた中心はイギリスのスタッフなんですが、イギリスの舞台劇の伝統と、歌舞伎、能、特撮などの日本の伝統芸が組み合わさって完成した舞台ではないかと思いますね。

この回のキャストは、千尋が朝ドラ『カムカムエヴリバディ』現代編のヒロイン・川栄李奈、ハクが『天気の子』の主人公・森嶋帆高の声・醍醐虎汰朗、湯婆婆が『鋼の錬金術師』のエドワードをはじめ数々のアニメキャラの声でおなじみで『侍戦隊シンケンジャー』では顔出しもされていた朴ロ美(ロは正しくは王偏に路)(プリキュアファン的には『Yes! プリキュア5GoGo!』のシロップの声)と、私的にいろいろおいしい顔ぶれでした。
川栄李奈さんは3月27日が初日。まだ役がなじんでない印象がありますが、精一杯の演技に返って千尋の必死さが感じられてよかった。朴ロ美さんの湯婆婆(銭婆と二役)はさすがです。セリフの迫力、振り幅の広い演技がすばらしい。

舞台は2幕構成。不可思議な異世界をたっぷり見せる1幕に対し、2幕はいわば謎解き&解決編。映画はいろいろ謎を残して終わってしまうけれど、舞台はきれいにまとめて、しっかりテーマに決着をつける。映画とちょっと印象が変わりますね。
『ナルニア国物語』『トムは真夜中の庭で』『思い出のマーニー』などの名作児童文学の伝統があるイギリス人らしい翻案と言えるかもしれません。

音楽について。
オリジナルスコアは久石譲、音楽スーパーヴァイザーとオーケストレーションはイギリスのスタッフ。舞台の音楽監督は『ひろがるスカイ!プリキュア』『わんだふるぷりきゅあ!』の音楽を担当している深澤恵梨香。アニメ版音楽のアレンジもありますが、オリジナル曲もあったような?
舞台ではオーケストラピットもつぶしてステージにしています。オーケストラの姿が見えず、録音なのかなと思っていたら、カーテンコールのときに疑問が解けました。舞台の奥が2階建てになっていて、その上にオーケストラがいて生演奏しているのでした。びっくりしたなぁ。たぶん指揮者がモニターで舞台を見て、ヘッドフォンでマイクが拾ったセリフを聞きながら演奏している? 音楽とタイミングを合わせて芝居するシーンもあるので、これもなかなかの超絶技巧です。
アニメ版がベースになっているとはいえ、舞台版は独自の音楽なので、スタジオ録音で音楽集発売してくれないかなぁ。

カーテンコールでは客席総立ちのスタンディングオベーションとなりました。挨拶をする川栄李奈さんがなかなか立派な座長ぶり。感動しました。

帝国劇場の「千と千尋の神隠し」は3月30日が千秋楽。
このあと、愛知(名古屋)、福岡(博多)、大阪(梅田)、北海道(札幌)、イギリス(ロンドン)で公演するそうです。
すごい舞台なので、機会ががあれば、ぜひご覧ください!
https://www.tohostage.com/spirited_away/index.html

「千と千尋の神隠し」プログラム

続きを読む:舞台「千と千尋の神隠し」

アルプスの少女ハイジ展

アルプスの少女ハイジ展

東武池袋店で開催中の「放送50周年記念特別企画 アルプスの少女ハイジ展」を観てきました。

今年で放送開始50周年を迎えたアニメ『アルプスの少女ハイジ』を記念した展覧会です。

内容的には2022年に浜松市美術館で開催された「ハイジ展」のコンパクト版という趣ですが、新しい視点の展示もあって楽しめました。

アルプスの少女ハイジ展01

アルプスの少女ハイジ展02

アルプスの少女ハイジ展03

スイス政府観光局が後援とあって、最初のほうはハイジの場面写とスイスの実景写真を並べた展示。スイスの風景がいかにアニメに写し取られているかがわかる、よい展示です。
カウベルやアルペンホルンの現物展示、アルプスの動物たちの紹介もあり。

浜松市美術館の「ハイジ展」では原作関連とアニメ版関連の2部構成で原作関連の展示に多くのスペースがとられていました。
今回は原作コーナーは少し。しかし、挿絵にフォーカスした内容で興味深い(浜松市美術館にも同じ内容があったかも…)。

多くのスペースを占めるのがアニメのメイキング関係。企画、ロケハン、シナリオ、台本、コンテ、設定、作画、美術、撮影…とアニメの制作を段階を踏んで見せる内容。これは浜松市美術館の展示と同様の構成です。
ただし、浜松市美術館であった音楽関係のメイキング展示(歌詞、楽譜、音楽メニューなど)はなし。
浜松市美術館に行けなかった人は貴重な資料を見る格好の機会と思います。

浜松市美術館になかった展示としては、現代アーティストのハイジをオマージュした作品の展示があり。会場内でここだけは写真撮影可です。
別コーナーになってますが、スイス政府観光局の展示もありました。

アルプスの少女ハイジ展04

アルプスの少女ハイジ展05

アルプスの少女ハイジ展06

最後に大量のキャラクター商品の物販コーナー。これは百貨店の催事としては大事ですからね。
会場限定のクリアファイルを買って帰りました。

東武池袋店の「アルプスの少女ハイジ展」は4月9日まで。
https://www.tobu-dept.jp/ikebukuro/event/detail/6434

アルプスの少女ハイジ展07

「ファンタジア」ライブオーケストラ・コンサート

「ファンタジア」ライブオーケストラ・コンサート

3月24日、NHKホールで開催された「ファンタジア」ライブオーケストラ・コンサートに足を運びました。

ディズニーのアニメ映画『ファンタジア』のシネマコンサートです。
演奏は佐々木新平指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。

といっても映画を丸ごと上映するのではなく、オリジナルの『ファンタジア』(1940)と2000年に公開された続編『ファンタジア2000』から数本ずつ抜粋して(順番もばらばらに)上映・演奏するというイベント。
新旧の作風の違いも観られて面白かったです。

ふつうのシネマコンサートと違ってセリフも字幕もないので、映像と音楽に集中できるのがよい。
これはシネマコンサート向きではないか!
と思ったのですが、映像に集中しすぎてオーケストラを観ている余裕がないのが自分としてはもどかしい。

プログラムの合間に司会者のMCが入り、指揮の佐々木新平さんから楽曲のエピソードやシネマコンサートを演奏する苦心なども聞くことができました。
シネマコンサートにふつうMCは入らないんですが、今回は演奏者を休ませる意味もあるのだろうな、とあとで思いました。
ふつうの映画と違って「音楽が入らない場面」がないから、続けて上映するとずっと演奏しっぱなしになってしまいますからね。

もともとは先に録音された音楽をもとに絵を作る「プレスコアリング」の方式で制作された作品。
しかし、コンサートでは逆に絵に演奏を合わせなければいけない。なかなか大変だったと思いますね。
しかも映像と動きのタイミングがぴったり合う「ミッキーマウシング」の手法もふんだんに使われている。ふつうの映画だったら、曲の最初と最後さえ合っていればそんなに違和感がないんですが、こういう作品だと一拍一拍ぴったり合わせる必要があります。一拍たりとも気が抜けない。
指揮者の佐々木新平さんは「マラソンを走るようなもの」とおっしゃっていました。

『ファンタジア』を大画面で観るのも得難い体験でした。
生演奏で体験する価値がある作品だったと思います。

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プロフィール

腹巻猫 はらまきねこ

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サウンドトラック構成作家、文筆家。
サウンドトラック・アルバムの構成(選曲・曲順・曲名決め)を専門で手がけるほか、映像音楽に特化した音楽ライターとして、作曲家インタビューやCD/Blu-ray/DVD解説書・雑誌記事・書籍の執筆等で活動。

お仕事の依頼等は⇒ contact@soundtrackpub.com