東京伴祭2024
11月4日、東京建物ブリリアホールで開催された劇伴フェス「東京伴祭2024」に足を運びました。
これまで京都で開催された「京伴祭」も東京で開催された「東京伴祭」もスケジュールの都合で行くことができず、配信で観ていたのです。
やっとやっと、現場に行けた…
今回の出演者は、加藤達也さん、高梨康治さん、林ゆうきさんの3人とミュージシャンのみなさん。
加藤達也さんの『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』『ラブライブ!サンシャイン!!』『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』『Free!』、高梨さんの『FAIRY TAIL』『キン肉マン』『NARUTO』、林ゆうきさんの『青のミブロ』『君は放課後インソムニア』『ガンダム ビルドファイターズ』『ハイキュー!』『僕のヒーローアカデミア』など、3人それぞれに聴きどころが多く、盛り上がりました。
個人的には『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』と『Free!』の曲が生で聴けたのがうれしかったなぁ。
驚いたのは、観客に圧倒的に若い女性が多いこと。そして、演奏中にサイリウムが盛大に振られること。
サントラコンサートでこんな光景が見られるとは!
カルチャーショックでした。
こういうお客さんに向けてサントラを作る時代なのだな、と感じ入ったイベントでした。
ともあれ、4時間半におよぶ長時間の劇伴フェス、堪能しました。
このフェスを立ち上げた林ゆうきさんはじめ、出演者、スタッフのみなさま、お疲れさまでした。ありがとうございました!
写真は撮影可能タイムで。
「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」コンサート
10月6日、西新井文化ホールで開催された「組曲 宇宙戦艦ヤマト」のコンサートに足を運びました。
宮川泰先生の実家から発見されたオリジナルスコアを元に復元したスコアによる初演です。
指揮:池田開渡
管弦楽:おーけすとら・ぴとれ座
合唱:ぴとれ座合唱団
スキャット:ゆうき
若い楽団員によるエネルギッシュで心沸き立つ演奏でした。
大のヤマトファンでこの企画の発案者でもある指揮者・池田開渡さんのヤマト愛が演奏から伝わってくる。コンサートというよりファンイベントみたいな印象。会場の熱気もそういう感じ。
オケは私が客席から確認した限りでは、弦が10型(10・8・6・6・4)、トランペット2、トロンボーン3、チューバ1、フルート2、オーボエ3、クラリネット2、ファゴット2、ホルン5、パーカッション3、ピアノ/キーボード1、ハープ1、ギター1、エレキベース1、ドラム1、合唱が男声6、女声6、そしてスキャットのゆうきさん。
「誕生」「出発」の勇壮さ、「決戦」の迫力、「真赤なスカーフ」「イスカンダル」の叙情が胸にしみました。「真赤なスカーフ」のトランペットソロ、「イスカンダル」のアルトフルートソロの再現度がすばらしい。
アンコールはなんと、「さらば宇宙戦艦ヤマト」から「大いなる愛」。ピアノは宮川彬良さんの長男・宮川大典さん。
貴重な資料展示も充実。
ヤマト50周年にふさわしい、ヤマトファンの想いが集まったコンサートでした。
これでスコアが用意されたわけなので、今後演奏の機会が増えることを期待しています。
8/21「葬送のフリーレン」オーケストラコンサート
8月21日はパシフィコ横浜 国立大ホールで開催された「『葬送のフリーレン』オーケストラコンサート」に足を運びました。
TVアニメ『葬送のフリーレン』のBGMをオーケストラで演奏するコンサート。
演奏は田尻真高指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。
ゲストは音楽を担当した作曲家のEvan Callとエンディング主題歌歌手のmilet。
よいコンサートでした。堪能しました。
よかった点の第一は、全曲、Evan Call自身がコンサート用に編曲したスコアによる演奏だったこと。『葬送のフリーレン』の音楽は民族楽器が使われていますが、コンサートでそれをすべてオリジナル通りの編成で演奏するのは困難。そこで別の楽器に置き換えることになります。作曲者自身が編曲することで、違和感のない、作曲者が意図したサウンドで再現されました。そういう編曲の工夫が随所に見られます。
また、今回スクリーンにアニメの映像を投影しながら演奏されたのですが、この映像が凝っていました。楽曲が使われた名場面を選んでいるのはもちろんですが、キャラクターのセリフをフキダシに入れた文字で表示していました。セリフがあることで、どんな場面だったか鮮明に思い出すことができます。
司会者を置かず、作曲者自身がMCを務めたのもよかった。MCが別にいるよりぐっと距離が近い感じになり、作曲者自身による楽曲の解説や紹介もテンポよく進みます。1部と2部のあいだにEvan Callとmiletのトークコーナーがあり、興味深いお話が聞けました。
もちろん、演奏もすばらしかったです。
編成は、弦が12型(12・10・8・6・5)、木管がフルート、オーボエ、クラリネットが各2、イングリッシュホルンとファゴットが各1、金管がトランペット×4、トロンボーン×3、チューバ×1、ホルン×4、ピアノ×1、ハープ×1、打楽器×6。そして、ギターとマンドリンなどの民族弦楽器が、サントラの録音にも参加している堤博明。ティン・ホイッスル、イーリアンパイプなどの民族管楽器が、やはりサントラの録音に参加している野口明生。これにコーラス×12(男声×6、女声×6)が加わる大編成です。
民族楽器は少な目ですが、印象的な音が入ることで、ぐっと「フリーレン」らしいサウンドになっています。
基本的にはオリジナルに準じたアレンジで、サントラを生で聴いている感がありました。
miletの生歌で「bliss」「Anytime Anywhere」が聴けたのも感激(いずれも編曲はEvan Call)。
近年聴いたアニメ音楽コンサートの中でも上位に入る満足度の高いイベントでした。
ぜひ、再演、または商品化してほしいです。
8/17 フィルフィルコンサート ジェリー・ゴールドスミス特集
8月17日は、東京オペラシティコンサートホールで開催されたフィルフィル(フィルムスコアフィルハーモニックオーケストラ)のコンサート、ジェリー・ゴールドスミス特集を聴きました。
サントラファンに人気の映画音楽作曲家、ジェリー・ゴールドスミスの作品だけで構成したコンサート。まさに待望!といったところです。
第1部では、『エアフォース・ワン』『氷の微笑』『風とライオン』『ムーラン』『グレムリン』などバラエティに富んだ作品を。
第2部はホラー・サスペンス特集として、『猿の惑星』『エイリアン』『ポルターガイスト』『オーメン』など。『オーメン』の「Ave Santani」のコーラスが圧巻でした。
第3部は『マッカーサー』『パットン大戦車軍団』『スター・トレック』『トータル・リコール』など、大編成オケの醍醐味が楽しめる作品を。『トータル・リコール』は盛り上がりますね。
『パピヨン』など流麗なメロディーが聴ける作品もあればよかったなぁと思いましたが、満足です。アンコールに『ルディ/涙のウイニング・ラン』を演奏してくれてうれしかった。
次回のフィルフィルコンサートは2025年3月1日。ジョン・ウィリアムズ特集だそうです。
8/10「機動戦士Zガンダム」「逆襲のシャア」コンサート
忙しくてブログが書けていませんでしたが、備忘的に8月に聴いたコンサートの記録を。
8月10日は仙台銀行ホール イズミティ21大ホールで開催された仙台フィルハーモニー管弦楽団のエンターテインメント定期第2回「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」のコンサートに足を運びました。
仙台フィルのエンターテインメント定期を聴くのは「コードギアス 反逆のルルーシュ」に続いて2回目。
今回は三枝成彰作曲の2作品です。目玉は「機動戦士Zガンダム」で、スコアが所在不明になっていた「交響組曲 Zガンダム」を全曲演奏。この企画を進めているあいだに、スコアが発見されたのだそうです。なんとコンサートとしては世界初演!
弦が12型。トランペットが6本、トロンボーンが4本(バストロンボーン1本)、チューバ2本という厚い金管が迫力です。
現代音楽的な技巧的なスコアと美しいメロディーが交互に現れる緊張感に富んだ作品。発売されたレコード版とは異なる部分もあり、楽しめました。
仙台フィルのエンターテインメント定期は、これからも注目していきたいと思います。
シンフォニック コードギアス リベリオン
5月4日、仙台銀行ホール イズミティ21大ホールで開催された仙台フィルハーモニー管弦楽団のコンサート「シンフォニック コードギアス リベリオン」に足を運びました。
大変な力演でした。しびれました。
アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』の音楽をオーケストラ組曲に編曲して演奏するという趣向。
しかし、アニメのイベント的な演奏会ではないんですね。仙台フィルの定期演奏会の一環なのです。だからアニメの映像を映し出す演出もないし、アニメのグッズなども売ってない。
それなのに『コードギアス』というセレクトが渋い。人気作品ではありますが、一般的知名度はそれほどではないと思われ。しかし、今でも新作が作られている現役の作品です。人気の定まった懐かしい作品ではなく、最新の作品を取り上げようという心意気がうれしくなります。
アニメのオリジナル音楽の作曲は中川幸太郎さんと黒石ひとみさん。
中川幸太郎さんはブラスを豪快にならすアクションもの(スーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズなど)の音楽で知られていますが、もともとは藝大で現代音楽を学んだ人で、しかもバリバリの前衛音楽を書いたりしていたそうです。アニメ『プラネテス』や『GOSICK』の音楽にその片鱗が聴けます。
で、『コードギアス』は一応ロボットアニメではありますが、お話は暗くてシリアスな展開が多い。派手な曲もありますが、現代音楽的な響きもたっぷり聴ける作品なのです。つまり、クラシックのオケでやるのにぴったり。
編曲はクラシック系の佐野秀典さん。このコンサートのためのオリジナルアレンジです。
もともと生演奏を前提に書かれていない原曲をホールの生演奏で鳴らすように、一部楽器を変えたり(ギターをハープに、サックスをクラリネットになど)、楽器を加えるなどしてアレンジしていました。オリジナルスコア準拠ではなく、オーケストラで鳴らすことを考えた編曲。『ウルトラセブン』のオリジナルBGMが『交響詩ウルトラセブン』になったみたいな感じ。楽団員の見せ場になるソロパートも随所に組み込まれています。
プログラムは『コードギアス 反逆のルルーシュ』と続編『『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』の音楽を第1幕~第3幕に分けて構成した組曲になっています。
オーケストラは仙台フィルのメンバーに客演奏者を加えた100人近い大編成。
最初に演奏された「序曲」(原曲はサントラ1枚目の1曲目に収録された「0」)からスピード感と躍動感あふれる演奏で、シンフォニックロックのような趣。思わず身を乗り出してしまう。
組曲に構成された原曲は全40曲くらい。1曲1曲は1~2分程度の短い曲なので密度が濃い。2時間のコンサートでしたが、3時間聴いたくらいの充実感と疲労感がありました。オーケストラの集中力もすごかった。仙台フィルの「本気」を感じました。
欲を言えば、中川幸太郎さんにアレンジしてほしかったなあ~と思いますが、100人編成のスコア書くなんて大変ですからね。売れっ子の中川さんには難題かも。あと、原曲の録音に参加しているトロンボーン奏者の中川英二郎さん(言うまでもなく中川幸太郎さんの実弟)が客演してくれたら最高だったんだけどな~。
それから、せっかくプログラムを作ってるのに、楽曲紹介や編曲意図、原作曲者のプロフィールなどが載っていないのは、もったいないと思いました。そういう情報があれば、アニメを観てない人でもより楽しめると思います。
ともあれ、予想していた以上に本格的で、満足度の高いコンサートでした。仙台まで遠征した甲斐がありました。
注目すべきは、このコンサートが「エンターテインメント定期第1回」と銘打たれていること。
仙台フィルとバンダイナムコグループ(バンダイナムコフィルムワークス、バンダイナムコミュージックライブ、バンダイナムコピクチャーズ)が協力して進めるプロジェクトで、アニメなどのエンターテインメント作品の「音楽」を生演奏するシリーズなのだそうです。クラシックのプロオケがアニメの音楽を取り上げる例は最近ちょくちょく観ますが、定期で演奏するシリーズというのは初めてでは?
おそらくアニメ音楽の魅力を音楽ファンにも広げるとともに、アニメのファンにもオーケストラ音楽の魅力を知ってもらおうという趣旨だと思うのです。そのねらいは当たったようで、会場に来ていたのは圧倒的に若い客が多い。それも男性より女性のほうが多い印象。アニメのファン層を反映しているようです。
公演はアニメ人気に頼らず、あくまでオーケストラコンサートに徹しているのが清々しい。地元で親しまれている地方オーケストラが意欲的な試みをするというのも意義があると思うんです。この路線でこれからどんな展開があるのか見守りたいと思います。
次回は8月に『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の2作品のコンサートが、その次は『アイカツ!』シリーズのコンサートが決まっています。
https://www.sendaiphil.jp/e23/
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カレイドスター音楽祭
4月13日、めぐろパーシモンホール大ホールで開催された「カレイドスター音楽祭〈20周年の すごい 究極 オーケストラコンサート〉」に足を運びました。
カレイドスター愛にあふれた、すばらしいコンサートでした。
クラウドファンディングで支援者を募って実現したイベントです。目標500万円に対し、あっという間に3千万円超の支援を達成してしまうという快挙に驚きました。支援者だけでホールを満席にする人数(1000人以上)になったので、チケットの一般販売はしていません。会場を埋めたのは筋金入りのカレイドスターファンのみなさんということですね。
「音楽祭」の名にふさわしく、カレイドスターの曲がたっぷり聴ける夢のようなコンサートでした。演奏曲は約50曲。アニメの画像や映像を一切使わないという潔さもよかったです。
演奏は西谷亮指揮、パシフィックフィルハーモニアポップス東京。
オケは、弦が10・8・6・6・4、木管がフルート、オーボエ、クラリネット、コールアングレ(イングリッシュホルン)、ファゴット×各1、トランペット×2、トロンボーン×1、ホルン×4、パーカッション×4、ハープ、ピアノ×各1という編成。
ピアノは作曲・編曲の窪田ミナさん自身。
窪田さんらしい彩り豊かな音のタペストリーがホールにきらめきます。ぜいたくで幸せな空間でした。
ロマンティックな曲、抒情的な曲、軽快な曲、コミカルな曲、どれも表情豊か。ソロも達者で申し分ない演奏でした。特にそらたちの特訓シーンなどに流れるダイナミックな曲の迫力がすばらしかった。生オケを聴く醍醐味を味わいました。
出演者、観客のみなさんがカレイドスター愛にあふれていて、会場の熱気もすごかった。
作品とスタッフとファンの理想の関係を見る思いです。
2回目もあるかな。何年か経ってからでもよいので、やってほしいですね。
舞台「千と千尋の神隠し」
3月29日、帝国劇場で公演された舞台「千と千尋の神隠し」の夜の部を観劇しました。
観るのは初めて。NHKでこの舞台が初演されたときのドキュメンタリーが放送されて、なんかすごいことやっているので、ぜひ観たいと思っていたんですよ。
すごかったです。
大がかりで凝った舞台装置と、照明、プロジェクション・マッピングなどを使って異世界を構築。 特に第1幕は舞台上で常にセットが動き、組み変わっている。その中で芝居も続けられている。ちょっとタイミングが狂うと事故が起こりかねない。そのめくるめく感覚が理屈では理解しがたい異世界の雰囲気を作り上げている。よくぞ作ったと感嘆しました。
油屋を訪れる神々も見どころです。神様といっても妖怪みたいなもので、特異なデザインを、衣装や着ぐるみ、ライオンキング方式、マペット、操演などで動かし、芝居をさせる。いろんな技術が総合されてるなぁ。舞台を作り上げた中心はイギリスのスタッフなんですが、イギリスの舞台劇の伝統と、歌舞伎、能、特撮などの日本の伝統芸が組み合わさって完成した舞台ではないかと思いますね。
この回のキャストは、千尋が朝ドラ『カムカムエヴリバディ』現代編のヒロイン・川栄李奈、ハクが『天気の子』の主人公・森嶋帆高の声・醍醐虎汰朗、湯婆婆が『鋼の錬金術師』のエドワードをはじめ数々のアニメキャラの声でおなじみで『侍戦隊シンケンジャー』では顔出しもされていた朴ロ美(ロは正しくは王偏に路)(プリキュアファン的には『Yes! プリキュア5GoGo!』のシロップの声)と、私的にいろいろおいしい顔ぶれでした。
川栄李奈さんは3月27日が初日。まだ役がなじんでない印象がありますが、精一杯の演技に返って千尋の必死さが感じられてよかった。朴ロ美さんの湯婆婆(銭婆と二役)はさすがです。セリフの迫力、振り幅の広い演技がすばらしい。
舞台は2幕構成。不可思議な異世界をたっぷり見せる1幕に対し、2幕はいわば謎解き&解決編。映画はいろいろ謎を残して終わってしまうけれど、舞台はきれいにまとめて、しっかりテーマに決着をつける。映画とちょっと印象が変わりますね。
『ナルニア国物語』『トムは真夜中の庭で』『思い出のマーニー』などの名作児童文学の伝統があるイギリス人らしい翻案と言えるかもしれません。
音楽について。
オリジナルスコアは久石譲、音楽スーパーヴァイザーとオーケストレーションはイギリスのスタッフ。舞台の音楽監督は『ひろがるスカイ!プリキュア』『わんだふるぷりきゅあ!』の音楽を担当している深澤恵梨香。アニメ版音楽のアレンジもありますが、オリジナル曲もあったような?
舞台ではオーケストラピットもつぶしてステージにしています。オーケストラの姿が見えず、録音なのかなと思っていたら、カーテンコールのときに疑問が解けました。舞台の奥が2階建てになっていて、その上にオーケストラがいて生演奏しているのでした。びっくりしたなぁ。たぶん指揮者がモニターで舞台を見て、ヘッドフォンでマイクが拾ったセリフを聞きながら演奏している? 音楽とタイミングを合わせて芝居するシーンもあるので、これもなかなかの超絶技巧です。
アニメ版がベースになっているとはいえ、舞台版は独自の音楽なので、スタジオ録音で音楽集発売してくれないかなぁ。
カーテンコールでは客席総立ちのスタンディングオベーションとなりました。挨拶をする川栄李奈さんがなかなか立派な座長ぶり。感動しました。
帝国劇場の「千と千尋の神隠し」は3月30日が千秋楽。
このあと、愛知(名古屋)、福岡(博多)、大阪(梅田)、北海道(札幌)、イギリス(ロンドン)で公演するそうです。
すごい舞台なので、機会ががあれば、ぜひご覧ください!
https://www.tohostage.com/spirited_away/index.html
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「ファンタジア」ライブオーケストラ・コンサート
3月24日、NHKホールで開催された「ファンタジア」ライブオーケストラ・コンサートに足を運びました。
ディズニーのアニメ映画『ファンタジア』のシネマコンサートです。
演奏は佐々木新平指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。
といっても映画を丸ごと上映するのではなく、オリジナルの『ファンタジア』(1940)と2000年に公開された続編『ファンタジア2000』から数本ずつ抜粋して(順番もばらばらに)上映・演奏するというイベント。
新旧の作風の違いも観られて面白かったです。
ふつうのシネマコンサートと違ってセリフも字幕もないので、映像と音楽に集中できるのがよい。
これはシネマコンサート向きではないか!
と思ったのですが、映像に集中しすぎてオーケストラを観ている余裕がないのが自分としてはもどかしい。
プログラムの合間に司会者のMCが入り、指揮の佐々木新平さんから楽曲のエピソードやシネマコンサートを演奏する苦心なども聞くことができました。
シネマコンサートにふつうMCは入らないんですが、今回は演奏者を休ませる意味もあるのだろうな、とあとで思いました。
ふつうの映画と違って「音楽が入らない場面」がないから、続けて上映するとずっと演奏しっぱなしになってしまいますからね。
もともとは先に録音された音楽をもとに絵を作る「プレスコアリング」の方式で制作された作品。
しかし、コンサートでは逆に絵に演奏を合わせなければいけない。なかなか大変だったと思いますね。
しかも映像と動きのタイミングがぴったり合う「ミッキーマウシング」の手法もふんだんに使われている。ふつうの映画だったら、曲の最初と最後さえ合っていればそんなに違和感がないんですが、こういう作品だと一拍一拍ぴったり合わせる必要があります。一拍たりとも気が抜けない。
指揮者の佐々木新平さんは「マラソンを走るようなもの」とおっしゃっていました。
『ファンタジア』を大画面で観るのも得難い体験でした。
生演奏で体験する価値がある作品だったと思います。
続きを読む:「ファンタジア」ライブオーケストラ・コンサート
菅野祐悟コンサート2024
3月9日、北とぴあ さくらホールで開催された「菅野祐悟コンサート2024」に足を運びました。
北区文化振興財団設立35周年記念事業「北とぴあ国際音楽祭2023」の一環としての開催。
北区民はチケットが割引価格で買えるので、初めて菅野さんのコンサートを聴きに来たという北区民の方も多かったと思います。
いつも派手な衣装で登場する菅野さん、今回は全身真赤なスーツでステージに現れて、拍手喝采を浴びてました。
演奏は、コロナ禍前のコンサートでおなじみだったフルオーケストラ編成ではなく、菅野さん自身によるピアノ/キーボードとダブルカルテットの弦、コントラバス(エレキベース持替)、ギター、トロンボーン、サックス各1という小ぶりな編成。
しかし、アレンジや演奏に工夫があり、満足度は高い。
よいコンサートでした。
大野克夫さんから引き継いだ劇場版『名探偵コナン』のテーマ曲を最初と最後に配し、第1部はテレビドラマの音楽中心、第2部は映画とアニメ音楽中心の選曲。
第1部では、会場のお客さんからキーワードをもらって菅野さんが即興で曲を作るコーナーも。
スタイリッシュな曲とゆるいMCのギャップが楽しく、菅野祐悟コンサート初心者にも「菅野祐悟ってどんな人?」というイメージが伝わったと思います。
打ち込みのバックトラックを流しながら演奏する現代のサウンドトラックならではの曲もあり、多彩なサウンドが楽しめました。
なかでも、ピアノ、トロンボーン、サックスのトリオで演奏された『軍師官兵衛』メインテーマがよかった。いつもはオーケストラの演奏で聴いている曲が、この日はしゃれたフランス映画のテーマ曲みたいに聴こえて新鮮でした。
クライマックスは、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』からのメドレーとアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』からの処刑用BGMメドレー。
特に『ジョジョ』コーナーでは菅野祐悟コンサートの常連さんが立ち上がって踊り始めるいつもの光景が見られ、「ああ、菅野さんのコンサートが帰って来た」と感慨深かったです(私は座ってましたけど)。
アンコールはオリジナルシンガー・青木カレンさんのヴォーカルで『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』から「Never Again」と『カイジ ファイナルゲーム』からトロンボーンソロをフィーチャーした「END TITLE」、そしてこの日のために菅野さんが書き下ろしたオリジナル曲のピアノソロで終演。
サイン会に並ぶ人の長い長い列を見ながら、会場をあとにしました。
菅野さん、5月にもイベントが予定されているそうなので、楽しみにしています。