腹巻猫のブログです。
主にサウンドトラックやコンサート、映像作品などについて書いています。
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「「アルプスの少女ハイジと名作アニメの音楽」終了しました
11月30日に神保町・ブックカフェ二十世紀で開催した「アルプスの少女ハイジ メモリアル音楽集」発売&SOUNDTRACK PUBレーベル12周年記念イベント「アルプスの少女ハイジと名作アニメの音楽」終了しました!
たくさんのご来場・応援、ありがとうございました!
予定より押して、用意していた《SOUNDTRACK PUB》レーベルの歴史が紹介できませんでしたが、いずれどこかで(笑)
牛尾憲輔ライブ behind the dex
11月20日、恵比寿LIQUID ROOMで開催された牛尾憲輔さんの劇伴作家活動10周年記念ライブ「牛尾憲輔 behind the dex」に行ってきました。
オールスタンディングのフロアは超満員で、寿司詰め状態。
お客さんは圧倒的に若い男女が多い。
もしや私が最年長?(笑)
音楽に全身で反応する客のノリや熱気は先日行った劇伴フェス「東京伴祭」に近い。
でも「東京伴祭」はアーティストやアイドルのライブっぽかったけれど、こちらはライブというよりクラブイベントという感じ。
牛尾憲輔さんは歌うでもなく、楽器を演奏するでもなく、PCやシンセから出る音をコントロールしてフロアを音楽で満たしていく。DJみたいなスタイル。
『きみの色』でテルミンを弾いてる影平ルイくんとイメージがダブります。
『チェンソーマン』『DEVILMAN』『ダンダダン』『ピンポン』などのリズム系の曲やアップテンポの曲でフロアが盛り上がる。
そのあいだに『平家物語』が入ってくるのが面白い。これも盛り上がった。
みんな踊りたいようすだけど、とてもそんなスペースがない。体をゆらす動きが波のように広がってく。
これが劇伴ライブなのか!と「東京伴祭」に続いてカルチャーショックを受けました。
アンコールの『きみの色』と『聲の形』がよかったです。
踊れる曲だけでなく、じっくり聴く曲がもっとあってもよかったなぁ。
スタンディングで約3時間。足がつらかった…(笑)
でも、長さを忘れて楽しめた刺激的なライブでした。
牛尾憲輔さん、劇伴作家活動10周年おめでとうございます!
訃報・楳図かずお先生
漫画家の楳図かずお先生が亡くなりました。88歳でした。
宝島社から発売された『劇場版まことちゃん DVD BOOK』では、ブックレットの構成・執筆と楳図かずお先生のインタビューを担当しました。
劇場版『まことちゃん』では楳図先生自ら主題歌を作って歌っているので、音楽活動についてもいろいろお聞きした思い出があります。
幼少期に出会ったコミカライズ版『ウルトラマン』をはじめ、『おろち』『猫目小僧』『恐怖』『こわい本』『洗礼』『イアラ』『漂流教室』『神の左手 悪魔の右手』『わたしは真悟』『14歳』などなど、人間心理への深い洞察と想像力に満ちた数々の作品で楽しませていただきました。
ありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。
東京伴祭2024
11月4日、東京建物ブリリアホールで開催された劇伴フェス「東京伴祭2024」に足を運びました。
これまで京都で開催された「京伴祭」も東京で開催された「東京伴祭」もスケジュールの都合で行くことができず、配信で観ていたのです。
やっとやっと、現場に行けた…
今回の出演者は、加藤達也さん、高梨康治さん、林ゆうきさんの3人とミュージシャンのみなさん。
加藤達也さんの『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』『ラブライブ!サンシャイン!!』『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』『Free!』、高梨さんの『FAIRY TAIL』『キン肉マン』『NARUTO』、林ゆうきさんの『青のミブロ』『君は放課後インソムニア』『ガンダム ビルドファイターズ』『ハイキュー!』『僕のヒーローアカデミア』など、3人それぞれに聴きどころが多く、盛り上がりました。
個人的には『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』と『Free!』の曲が生で聴けたのがうれしかったなぁ。
驚いたのは、観客に圧倒的に若い女性が多いこと。そして、演奏中にサイリウムが盛大に振られること。
サントラコンサートでこんな光景が見られるとは!
カルチャーショックでした。
こういうお客さんに向けてサントラを作る時代なのだな、と感じ入ったイベントでした。
ともあれ、4時間半におよぶ長時間の劇伴フェス、堪能しました。
このフェスを立ち上げた林ゆうきさんはじめ、出演者、スタッフのみなさま、お疲れさまでした。ありがとうございました!
写真は撮影可能タイムで。
ボルテスV レガシー
10月18日に公開された映画『ボルテスV レガシー』を初日に観てきました。
1977年に放送された日本のTVアニメ『超電磁マシーン ボルテスV』をフィリピンで実写化した作品です。フィリピンではTVシリーズとして全90話が放送されました。その序盤のエピソードを約90分に再編集したのが今回の劇場版。
すごい! すごいですよ!
作り手の『ボルテスV』愛が爆発してます。
リスペクト…というより、「俺たちはこれが観たいんだ!」という気持ちがひしひしと伝わってきます。
熱い…
ぐっときたのは、やはりボルトマシンの発進・合体とボルテスVの戦闘シーン。
戦闘シーンのしつこいほどのこってりした演出は原典の長浜ロボットアニメをほうふつさせます。
武器を使うときに武器名を叫ぶ演出が引き継がれていて、しかもちゃんと理由が付けられていることに感動しました。
加えて、劇中に流れる音楽(劇伴)もオリジナル版をオマージュ。小林亜星作曲の主題歌のメロディーや筒井広志作曲のオリジナルBGMがアレンジされて流れます。もう、この音楽を聴くだけで血がたぎってしまう。
パンフレットは総ルビで子ども向けに作られているように見せて、実はインタビュー、コラムなどが充実。オリジナル版の紹介もしっかり。ロマンアルバムや大図鑑・大百科を意識していると見ました。
入場者プレゼントはペーパークラフト。
今回観たのは字幕版だったので、こんどは吹替版で観たいと思います。
Soundtrack Pub 【Mission#46】終了しました!
10月12日開催「Soundtrack Pub 【Mission#46】ヤマト1974音楽大作戦!」無事終了しました。
たくさんのご来場、応援ありがとうございました!
Soundtrack Pub史上最高の集客となり、立ち見になったお客様には申し訳ありませんでした。
また、ゲスト出演いただいた早川優さん、小林治さん、ありがとうございました。
シークレットゲストで川島和子さんに登壇いただきました。貴重な録音時のエピソードや宮川泰先生の思い出などをうかがうことができました。ありがとうございました!
このイベントが、ヤマトの音楽探求を次の時代に引き継ぐきっかけになれば幸いです。
当日発表しましたが、下記の日程で川島和子さんのトークイベントを開催します。
12月22日(日) 14時頃~17時頃(時間は予定)
会場:神保町 ネオ書房@ワンダー店(ブックカフェ二十世紀)
出演:川島和子、早川優、腹巻猫
詳細・予約方法等は11月に入ってから発表の予定です。
劇伴倶楽部Webサイトや、腹巻猫のFacebook、X等で告知します。
みなさま、予定を空けてお待ちください!
『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念上映会
10月6日の夜は新宿ピカデリーで開催された「『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念上映会」に足を運びました。
昼のコンサートに続いて、こちらもヤマトファンの熱気があふれるイベントでした。
50年前の『宇宙戦艦ヤマト』第1話放送開始と同日同時刻から、第1話をスクリーンで上映。何度も観ている映像ですが、スクリーンで観る体験は格別です。大画面に映える映像だと再認識しました。
続いて、1977年に発売された8ミリ版全3巻を連続上映。8ミリ版はこれが初見ですが、「こういう編集なのか!」と驚きました。なんと第2巻で七色星団の決戦とガミラス本星の決戦を終わらせてしまう。そして最終第3巻は25話と26話をベースに、愛と別れ、生と死のドラマを見せる濃密な構成。デスラーが登場するものの退場する場面がなく、「デスラーはどうなったの?」と思ったのは私だけではないはず。しかしそれを承知の上で人間ドラマを見せたかったのでしょうね。フィルム脇に記録されたサウンドトラックが動く絵が観られるという貴重な機会でもありました。
上映後の庵野秀明さん、出渕裕さん、氷川竜介さんの3人によるトークは年季の入ったヤマトファン座談会という感じで楽しかった。ここでも新発見のノンテロップ版オープニング、エンディングの上映といううれしい趣向が。初期オープニングの発色のよさに驚きました。
その後、放送50周年記念プロジェクトの新しい展開の発表があったのは、ネットニュースなどで報じられている通り。
私自身の『ヤマト』とのかかわりは個人誌「劇伴倶楽部」に書いたことがありますが、50年前の体験が現在の仕事や活動の原点になっているのは間違いない。それをあらためて感じました。10/12のSoundtrack Pubではそういう話も少ししてみたいと思います。
あらためて、出演者、スタッフのみなさま、お疲れさまでした。ありがとうございました。
「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」コンサート
10月6日、西新井文化ホールで開催された「組曲 宇宙戦艦ヤマト」のコンサートに足を運びました。
宮川泰先生の実家から発見されたオリジナルスコアを元に復元したスコアによる初演です。
指揮:池田開渡
管弦楽:おーけすとら・ぴとれ座
合唱:ぴとれ座合唱団
スキャット:ゆうき
若い楽団員によるエネルギッシュで心沸き立つ演奏でした。
大のヤマトファンでこの企画の発案者でもある指揮者・池田開渡さんのヤマト愛が演奏から伝わってくる。コンサートというよりファンイベントみたいな印象。会場の熱気もそういう感じ。
オケは私が客席から確認した限りでは、弦が10型(10・8・6・6・4)、トランペット2、トロンボーン3、チューバ1、フルート2、オーボエ3、クラリネット2、ファゴット2、ホルン5、パーカッション3、ピアノ/キーボード1、ハープ1、ギター1、エレキベース1、ドラム1、合唱が男声6、女声6、そしてスキャットのゆうきさん。
「誕生」「出発」の勇壮さ、「決戦」の迫力、「真赤なスカーフ」「イスカンダル」の叙情が胸にしみました。「真赤なスカーフ」のトランペットソロ、「イスカンダル」のアルトフルートソロの再現度がすばらしい。
アンコールはなんと、「さらば宇宙戦艦ヤマト」から「大いなる愛」。ピアノは宮川彬良さんの長男・宮川大典さん。
貴重な資料展示も充実。
ヤマト50周年にふさわしい、ヤマトファンの想いが集まったコンサートでした。
これでスコアが用意されたわけなので、今後演奏の機会が増えることを期待しています。
「サントラサーカス!3」終了しました
9月7日に浅草「ニュー酒場 フレンズ」で開催された「サントラサーカス!3」、終了しました。
ご来場、応援ありがとうございました!
私は「10代の頃に聴いていたサントラ(海外編)」をテーマに、懐かしいサントラ盤をかけました。
セットリスト
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01. 栄光への脱出(メイン・テーマ)/アーネスト・ゴールド/スタンリー・ブラック指揮、ロンドン・フェスティバル管弦楽団(『栄光への脱出』(1960)より)
02. 空軍大戦略のテーマ/ロン・グッドウィン(『空軍大戦略』(1969)より)
03. デリンジャーのテーマ/バリー・デ・ヴォーゾン(『デリンジャー』(1973)より)
04. ゴールド~メイン・タイトル/エルマー・バーンスタイン/歌:ジミー・ヘルス(『ゴールド』(1974)より)
05. 砦の29人/ニール・ヘフティ(『砦の29人』(1966)より)
06. 黒い警察/ステルヴァ・チプリアーニ(『黒い警察』(1973)より)
07. さらばベルリンの灯/ジョン・バリー(『さらばベルリンの灯』(1966)より)
08. セルピコ・愛のテーマ/ミキス・テオドラキス(『セルピコ』(1973)より)
09. 青い鳥はどこへ(序曲)/アーウィン・コスタル(『青い鳥』(1976)より)
10. リバー・ソング/シャーマン兄弟/歌:チャーリー・プライド(『トム・ソーヤ―の冒険』(1973)より)
11. WE MAY NEVER LOVE LIKE THIS AGAIN/歌:モウリーン・マクガヴァン(『タワーリングインフェルノ』(1974)より)
12. サークル・ゲーム/歌:バフィー・セントメリー(『いちご白書』(1970)より)
BtoB
カサンドラ・クロス 愛のテーマ/ジェリー・ゴールドスミス(『カサンドラ・クロス』(1976)より)
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「栄光への脱出」「砦の29人」「青い鳥」「いちご白書」は中学~高校生のときにお小遣いで買った盤(実家から掘り出してきた当時もの)を回しました。
今回かけた曲の大半は関光夫さんが映画音楽を紹介するラジオ番組で知った曲です。放送を楽しみにしていた少年時代を思い出しながら選びました。DJイベントも、そういう心に残る音楽との出会いの場所になるといいなと思ってます。
主催の小久保剛さん、そして出演者のみなさま、ありがとうございました。お疲れさまでした。
小久保さん主催の次回DJイベントは12月7日だそうです。
お楽しみに~
8/21「葬送のフリーレン」オーケストラコンサート
8月21日はパシフィコ横浜 国立大ホールで開催された「『葬送のフリーレン』オーケストラコンサート」に足を運びました。
TVアニメ『葬送のフリーレン』のBGMをオーケストラで演奏するコンサート。
演奏は田尻真高指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。
ゲストは音楽を担当した作曲家のEvan Callとエンディング主題歌歌手のmilet。
よいコンサートでした。堪能しました。
よかった点の第一は、全曲、Evan Call自身がコンサート用に編曲したスコアによる演奏だったこと。『葬送のフリーレン』の音楽は民族楽器が使われていますが、コンサートでそれをすべてオリジナル通りの編成で演奏するのは困難。そこで別の楽器に置き換えることになります。作曲者自身が編曲することで、違和感のない、作曲者が意図したサウンドで再現されました。そういう編曲の工夫が随所に見られます。
また、今回スクリーンにアニメの映像を投影しながら演奏されたのですが、この映像が凝っていました。楽曲が使われた名場面を選んでいるのはもちろんですが、キャラクターのセリフをフキダシに入れた文字で表示していました。セリフがあることで、どんな場面だったか鮮明に思い出すことができます。
司会者を置かず、作曲者自身がMCを務めたのもよかった。MCが別にいるよりぐっと距離が近い感じになり、作曲者自身による楽曲の解説や紹介もテンポよく進みます。1部と2部のあいだにEvan Callとmiletのトークコーナーがあり、興味深いお話が聞けました。
もちろん、演奏もすばらしかったです。
編成は、弦が12型(12・10・8・6・5)、木管がフルート、オーボエ、クラリネットが各2、イングリッシュホルンとファゴットが各1、金管がトランペット×4、トロンボーン×3、チューバ×1、ホルン×4、ピアノ×1、ハープ×1、打楽器×6。そして、ギターとマンドリンなどの民族弦楽器が、サントラの録音にも参加している堤博明。ティン・ホイッスル、イーリアンパイプなどの民族管楽器が、やはりサントラの録音に参加している野口明生。これにコーラス×12(男声×6、女声×6)が加わる大編成です。
民族楽器は少な目ですが、印象的な音が入ることで、ぐっと「フリーレン」らしいサウンドになっています。
基本的にはオリジナルに準じたアレンジで、サントラを生で聴いている感がありました。
miletの生歌で「bliss」「Anytime Anywhere」が聴けたのも感激(いずれも編曲はEvan Call)。
近年聴いたアニメ音楽コンサートの中でも上位に入る満足度の高いイベントでした。
ぜひ、再演、または商品化してほしいです。